そもそもは奥さんの勧め
元知は海軍兵士だったラインハルト・ハイドリヒでしたが、女性問題で除隊に追い込まれ自暴自棄になっていた時に、心の支えとなった彼女の進めでナチに傾倒。
当時は、ヒトラーの我が闘争すら知らず、恋人に飽きられてしまう始末。そんな人が後にSSの最高責任者の地位に上り詰めるとは・・・。
恋人、最終的には奥さんになるこの女性のすすめで、ナチ党の面接を受けます。場所は面接官の自宅。養鶏場を営んでおり、経営が芳しくないと見抜いたラインハルト・ハイドリヒは、その場で経営改善を理路整然と解説。
これを聞いた面接官はひどく感心し、彼なら間違いないと即決でナチ入党が決まりました。
「金髪の野獣」と恐れられていたとは
ナチス入党後、メキメキと成果を上げるラインハルト・ハイドリヒ。その徹底した反分子に対する締め付けは苛烈を極め、仲間からは金髪の野獣と恐れられていました。
命乞いする市民に対し、表情を一切変えず、銃口を向けてシーンはまさに野獣そのもの。
軍部からは、彼ら取締部隊を虐殺部隊と罵られても、意に介すことなく、その取締は彼の昇進スピードと比例するかようにエスカレートしていくのでした。
ヒトラーに鉄の心臓と呼ばせてしまうラインハルト・ハイドリヒは、冷酷非情さにおいては当時では群を抜いていたのでしょう。
暗殺が未遂に終わっていたら・・・
ラインハルト・ハイドリヒの生涯にスポットを当てている一方で、彼の暗殺を計画するチェコ反政府組織の動きも描かれています。
ナチ占領下となったチェコスロバキア。新たに占領ボスになったラインハルト・ハイドリヒを暗殺すべく、極秘に一般市民を装い彼に接近を図ります。
こうしてラインハルト・ハイドリヒの日常の動きを把握した彼らは、彼が毎日巡回するルートに待ち伏せ暗殺を実行に移します。
まずは車の前に立ちふさがり、ライフルでぶちかますという計画でしたが、これが不発。とは言え、第二の矢となる爆弾投下が見事ヒット。
車は大破し、暗殺成功と思いきや、そこは金髪の野獣。そう簡単には倒れません。
深手を負いながらもクルマから降り立ち爆弾投下者をピストル片手に追い回す。追われた側はさぞびっくりしたことでしょう。
何とかナチスの手から逃げ延びた暗殺組織。後にニュースでラインハルト・ハイドリヒの死を知り、大いに喜んだのもつかの間、ナチスの一斉捜索が始まります。
多勢に無勢とはまさにこのこと
最終的には暗殺組織の人間がナチスに情報を打ってしまい、関係者のほとんどが捕まるか自殺に追い込まれます。
暗殺に関与した人間達も協会に立てこもり、数百名のナチスの軍に数名で立ち向かいます。
最初の一戦では数名なのに圧勝。これは勝てないと思ったナチス軍は急ぎ教会の外に出て数を増やして再チャレンジする羽目に。
壮絶な銃撃戦の末、暗殺組織の人間は全て死亡。ここにナチスの反組織はチェコから消えてしまうのですが・・・
占領都市の色合いが強いプラハ
こうして戦時中はナチスの占領下に。戦後はソビエト連邦の占領下となったプラハ。戦争に絶えず翻弄されたといった感じが否めません。