裁判所で歴史を争う「否定と肯定」

否定と肯定 ハリウッド

関ヶ原の戦いは実際にあったか?

学校で学んだ日本の歴史。例えば関ヶ原の戦いは徳川家康率いる東軍勝利で終わりましたが、実は石田三成の率いる西軍が勝利していたなんてありえない新事実が発表されたらどうでしょう。

多くの人はその後の歴史を見れば、これがフェイクであることは一目瞭然。けど恣意的に解釈した膨大な資料を提示されてしまったら、信じてしまう人が多いことも明らか。

本作品でも、ある歴史的出来事をめぐって肯定派と否定派が激しい論戦を張り、その判断を司法に委ねるということになったのです。

ある歴史学者の主張とは

歴史学者アーヴィングの主張によれば、多くのユダヤ人の命を奪ったガス室は存在しなかったとのこと。

この主張を真っ向から否定する大学教授のリップシュタット

最初こそ、彼の主張は荒唐無稽の歯牙にもかけていませんでしたが、イギリスの裁判所に訴えたことで事態は急転。

売られた喧嘩は買おうじゃないのということで、リップシュタット教授は法廷で争うことを決意します。

否定と肯定

百戦錬磨の弁護士軍団

この裁判に勝たなければ、アーヴィングの主張が歴史事実として認識されてします。

なので、敗訴は絶対に受け入れられない。てなわけで、彼女はイギリス国内でも指折りの弁護士軍団に弁護を依頼することに。

彼らが取った戦略は、まず

  • 陪審員制ではなく、一人の人間の判断に委ねる判事制で戦うということ。
  • 2つ目は強制収容所の生存者を法廷の場に出さない。つまり証言させないというもの。アーヴィングによる質問攻撃で証言者が辱めを受けることが許容できない、そして証言者を利用して彼が有利に立つことを防ぐため
  • 最後にリップシュタット本人も法廷の場で証言させないというもの。感情的になりアーヴィングの術中にはまる恐れがあるから。
  • これらの方針を元に裁判に臨みます。

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    イギリスの法廷の仕組みが被告に不利?

    この作品で知りましたが、イギリスの裁判では、訴えた側ではなく、訴えられた側が無実を主張するネタを用意しなくてはならないこと

    となると、今回のケースでは被告側、リップシュタット教授側で、立証するデータを取り揃えて行かなければならない。

    ガス室の図面や当時の写真、生存者の証言などなど。他にもアーヴィングの膨大な著書の中から、事実誤認のネタがないか、さらには彼が書き残してきた日記の中から、反ユダヤ的な思想がないかなどなど。

    とにかく被告側の負担が原告に比べると膨大であることは確か。

    けど、この検証作業が後に、アーヴィングをどんどん追い詰め、勝訴を手繰り寄せる貴重な情報となっていくのです。

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    フェイクニュースもこうして裁かれる?

    この作品を読んで、フェイクニュースが法廷で裁かれるという時代がいつの日から来るんだろうなと。

    フェイクニュースなのに勝訴ともなれば、事実が捻じ曲げられて後世に伝わる恐れもあり、ちょっと怖い感じさえしましたね。

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