時はドイツ占領下のフランス
作品の舞台は第二次世界大戦中のフランス。ドイツ占領下となりユダヤ人の弾圧もフランスまで及び、人里離れた山奥まで、執拗なユダヤ刈りが行われていました。
冒頭のシーンがまさしくそれで、丘にポツネンと建つ一軒の小屋。薪を割るたくましいおっさん。まるでハイジのようなのどかな光景に、ユダヤ刈りのSS部隊がやって来ます。
このSS部隊を率いるのがユダヤハンターと異名を持つランダ大佐。
ランダ大佐がいい味出している
居丈高に振る舞うのではなく、物腰が柔らかく紳士的。この小屋の住人が、ユダヤ人をかくまっていることは既に調査済み。
なのに、いきなり結論からモノを言わず、ジワジワと規制事実を並べ立てて、逃げ切られない所まで相手を追い詰める。
まるでネチネチした上司が、出来損ないの部下に対し、説教をしている感じ。
結局、小屋の住人が床下にいることを、ランダ大佐に吐かされてしまいます。
床下に向けたライフル銃をぶっ放すSSの部隊。ユダヤ人全てが絶滅と思いきや、1人だけ、この惨劇から難を逃れることができました。
この女性が後にナチス高官を全て一網打尽にする首謀者、ショシャナその人だったのです。
ナチスも恐れるゲリラ部隊も
フランスを占領下においたものの、局所的にフランス人の抵抗を受けていたドイツ軍ですが、中でもドイツ人が恐怖におののくゲリラ部隊が存在しました。
彼らに遭遇した部隊は、1人も生き残ることができず、死体は全て頭皮が剥がされているという人間の仕業とは思えない残忍な事が行われていました。
この部隊を率いるのがブラッドピット演じるアルド中尉。ユダヤ人によるアメリカ軍部隊で、構成メンバーが個性的。
ドイツ高官を次々と殺めた殺人マシーンのドイツ人やら、木製バットでドイツ兵をボコボコにしてしまう奴、そして死体の頭皮だけを捌かすちょっと代わった奴などなど。
そして彼らもまた、打倒ナチスに向けてとんでもない作戦を決行しようとしていたのです。
2つの作戦が交錯
本作品に見どころは、ユダヤ人ショシャナによる復習作戦とアルド中尉による復習作戦が並行して、奇跡的に一致してしまう点。
場所はショシャナが運営する映画館。そこにヒトラー、ゲッペルスなどナチスの高官が一同に集まる映画試写会が開催されることになりました。ショシャナは、この千載一遇の好機をユダヤ人の復讐の機会とし、フィルムを燃やして一人残らず焼き殺してやろうと画策。
一方のアルド中尉、ある女スパイの手引きで試写会に潜入して、ダイナマイトで一気に映画館ごとの吹き飛ばすという作戦を決行。
お互いがとんでもない事をやらかそうということは全く知らず状態で、果たして両者の作戦が思惑通りに進むのか、最後まで目が話せない作品でした。