異色のスパイ映画
スパイ映画と言えば007シリーズ、ミッション・インポッシブル。
冒頭にあのジュード・ロウが犯罪組織主催のパーティに潜入し、見事ミッションを成功させますが、どうも見慣れた風景を見せられている感じがして、最初は全然惹きつけられれるものがありませんでした。
が、ジュード・ロウが次のミッションでヘタをこき、しかも殉職してしまうところから、加速度的にこの作品の面白さが増していきます。
あの世界的名俳優を開始早々になきにものにしてしまうという思い切りの良さもこの作品も魅力でもあります。
事務職の女性が現場エージェント
殉職したジュード・ロウの仇討ちをすべく、CIAが白羽の矢を立てたのが全く現場経験のない女性。
しかもポッチャリときているものだから、不安でしかたない。とは言うものの、犯人グループに顔が割れていないのは彼女だけ。彼女自身も現場に出たいと常々口にするどほど念願の夢がかないました。
ポッチャリ体形なだけに、大丈夫かと見ている側も不安を感じましたが、そんな不安をよそに、手際よく敵方を葬り去り、これなら行けると確信に変わりました。
ナイフを突きつける敵方に対し、焦る素振りを一切見せず落ち着いて胸ポケットから拳銃差し出し、一気に形勢逆転。状況判断はベテランCIAばりと言ってもいいでしょう。
敵方との取っ組み合いも、俊敏な動きで防御、攻撃を的確に繰り出し相手をノックアウト
これがポッチャリ体形で成立させる所に、他のスパイ映画にはないまた違った楽しさを醸し出しています。
他にも登場人物が個性的
この作品、ジュード・ロウやジェイソン・ステイサムなど主演級を張るような俳優が脇役というのも見所の一つ。
トランスポーターではクールな2枚目役を演じていたジェイソン・ステイサムが、この作品では3枚目役として、することなくなすこと全て空回り。
「現場はまだまだ素人だから俺に任せろ」と言うわりには結果的には仕事を増やしてしまう有様。
他にも犯罪組織の女ボス。ジュード・ロウの侵入を先回りしてキャッチして、見事彼の倒しちゃう程の切れ者のくせに、お嬢様育ちだけにどこか抜けている所があって、本当に同一人物かと思うほどです。
最後に警察に連行される時に、頭を触らないでと今の自分の立場をわきまえないシーンは秀逸です。
パート2を是非やってほしい
腕の立つポッチャリ女スパイというありえない設定と、どこか抜けっぷりが半端ない憎めない脇役たち、そしてチョイチョチ顔を出す軽妙な笑いのトークなどなど、スパイ映画の新ジャンルを確率したと言ってもいいでしょう。
ぜひパート2をやって欲しい。