AIは万能という間違った見方
AIに任せれば何でもしてくれる。問い合わせの問答も、相性診断も、将来の収益シミュレーションも・・・。
が、実際に仕事で扱うこととなり、これが大きな誤りであったことに気付かされました。
チャット型の問い合わせAIであれば、想定問答をまず登録させていかなければなりません。その数がこれまた膨大で、その後、的外れな回答を修正したり、当初登録していなかった問答を追加したり・・・。
これらは絶え間なく行うことで、一丁前のAIが仕上がるのです。
ので、放置プレイはまずありえない。手のかかる作業なのです。
本作品で描かれるAIはとっても優秀。AI自身がどんどん賢くなってくれるのですから夢のようなAIとも言えます。
生活、交通、医療全てにAIが入り込む時代
時は2030年の日本。自動運転カーが当たり前で、医療の世界では患者それぞれの治療履歴を元に最適な治療をAIが決めてくれる。
人間はAIに言われた通りの治療を行うというのが当たり前という世の中に。
さらに膨大な個人情報を保有したこのAI、のぞみは通信、交通、生活インフラまで浸透。AIのぞみ一極集中という状態。
サービスを利用する側としては、ワンストップで全てが行われるので大変便利。が、時としてこの一極集中が仇となることもあるのです・・・
恐れていたことが現実に。AIハッキング
何者かによってハッキングされたAIのぞみ。まず病院では医療機器に障害が起き、バタバタと命を落とす人が続出。
さらには信号などの機器類がトラブルを起こし、街は大渋滞&事故多発。電車も緊急停車し、日本は一瞬にしてパニック状態に陥りました。
これもAIのぞみ一極集中がもたらしたものであり、便利な点は認めますが、やはり万が一の事を考えると分散型管理の方が良いのではと思った次第です。
AIと究極の鬼ごっこはじまる
このハッキングの犯人にまつりあげられたのが、AIのぞみの開発者。ハッキングしたデバイスを何者かにバックに入れられ、犯人扱いに。
そしてここから壮絶なAIとの鬼ごっこが始まるのです。
警察庁が開発した、究極のAIシステム、ひゃくめ。膨大な個人情報を元にしたこのAIは、個人のスマホ、街の監視カメラ、ドライブレコーダーなどなど。ネットに繋がるデバイスをハッキングして犯人を追跡するというもの。
路地裏に逃げ込もうと、簡単に居場所が特定され、警察の追跡を振り切ろうとしても何故か目の前に新たな警官が立ちふさがる。
個人情報が厳しい日本ではまずありえないでしょうけど、海外ではもしかしたらありえる話ではと思いました。
最初から匂っていましたよ。君の存在は
AIのぞみをハッキングした張本人は誰なのか。最初こそAIのぞみのボスが疑われましたが、彼を騙してハッキングソフトを仕込ませたのが警察庁のひゃくめ開発者のエリートエンジニアだったのです。
彼としてはどうしてもAIのぞみの技術が欲しかった。が、のぞみ側は警察庁と手を組む気はさらさらない。そもそも目的が全く違いますから。
てなわけで、ハッキングして情報を盗み出すと共に、日本を混乱に貶めようと画策したわけなのです。
最初から、コイツが怪しいと踏んでいましたが、まさにその通りとなりちょいと興ざめしてしまいました。
話があまりにも飛躍しすぎて、現実感がない所が個人的にはちょっとひっかかる作品でした。