需要が限られているから成立
今程、エロが流通していなかった時代ということもあり、今では考えられないようなものがお金になっていたのですから、需要が絞られることがいかに商売になるかを感じました。
とは言え、同じことをしていたら飽きられるわけで、切り口を変えて様々な企画を矢継ぎ早に提供していっったことが末井氏の成功の源泉だと思うのです。
糊口の妻、前田敦子の演技がいい
末井さんの妻役で登場する前田敦子。
作品の中では、まだ看板屋でくすぶっていた若き日の末井氏と下宿先で知り合い、そのまま2人して下宿先を出て同棲を経て結婚と至ります。
結婚して間もない頃、働かないで家でゴロゴロしている旦那を温かく見守り、仕事が入ると一緒になって喜んでくれる。
仕事が忙しい時は、カッターを片手に写植を切り取って旦那の仕事をお手伝い。
面倒見が良い奥さんを演じきっている感じがしました。
旦那が売れっ子になって浮気をしていても、特に問い詰めるようなことをはせずあくまでも自然体。
この人じゃないと、妻役は演じられないんだろうなと思いました。
看板屋から雑誌編集長へ
成人雑誌の伝説的編集長、末井氏の生涯を描いた本作品
元々出版系の道に進みたいという明確な夢を持っていたわけではなく、自然の流れで編集長にまで上り詰めたといった感じ。
持っている人は運をどんどんモノにしていくんだなと感じました。
ブレークのきっかけはキャバレーの看板ブレークでしょ。
あるお店のオープンで書いた看板がヒットし、ウチもウチもとお客が増え、そのヒットを目にした友人が雑誌の世界を紹介。
そこからは雑誌のイラストレーターから、あれよあれよと編集長にまで上り詰めていったのです。
35万部も売れた成人誌なんて、今の時代じゃ考えられませんが
検閲官が真面目すぎだろ
今もあるのかな、雑誌の検閲。ヘアが見えたとか陰部が見えたとか、1枚1枚写真を入念にチェックする検閲の人
その描写があまりにもリアルすぎて笑えました。
指の角度で、まっすぐ伸ばせばセーフ、曲げるとアウトって。こまかすぎ
けど、出版社にとってはありがたいお言葉です。
オールペケにせずに、条件付きでOKしてくれているのですから
まさかの展開
雑誌の順調で大ヒットを記録。女性問題で多少は揉めたはものの、総じて順風満帆
なのに、数々の成功を収めてきたエロ業界から、まさかのパチンコ業界への華麗なる転身。
この人、エロの将来性がこの先厳しいと予見していたら、本当にすごい人だと思います。