多感な時期な娘との接し方に苦慮
小さい頃はかわいくてあんなに素直な娘が、今では「うざい」を連発し、全く口さえも聞いてくれない。そんな豹変っぷりに戸惑うパパも多いのでは?
実の娘ならまだしも、血の繋がっていない娘だとしたら、輪をかけてパパは苦慮するでしょう。
この作品で描かれているのがまさしくそれ。「本当のパパじゃないのに、パパずらしないでよ」と急所をえぐられるような言葉を浴びせられても、頭ごなしに怒るわけでもなく、シランっぷりを決め込み現実から逃げるでもなく、しっかりと向き合って諭すように心の扉を開けようとするする浅野忠信演じるパパに深く関心させられました。
仕事でも左遷の憂き目に
再婚した時は長女はまだ小学校低学年で、すぐ打ち解けてくれてパパ、パパと慕ってくれたのに、これが小学校高学年と多感な時期になると、全くの他人として受け止めてしまう。この豹変ぶりに、頭を抱え始めます。
リビングで過ごす幸せな一時をぶち壊すような暴言を吐いたり、妹には本当のパパじゃないと言ってみたり、しまいには実のパパに合わせてという再婚パパには耳にしたくなような言葉を浴びせる始末。
こんなつらい事が家庭内で起きている一方、仕事でも本社から工場勤務に左遷させられる始末。パパにとっては人生のどん底を味わいます。
実のパパでないから・・・
実はパパ側にも前の奥さんとの間に、反抗期の長女と同じ年頃の娘がいます。
数ヶ月に1回会うことできるという関係。長女とはうってかわって、素直でパパとのことを大好きでいてくれる。再婚相手のパパに対しても心を開き、非の打ち所のない。
そんな彼女から、末期がんで余命わずかのパパに対し、家族に対する悲しい気持ちが沸かない。お友達や先生に対するそれに似ている。と。この相談にパパは気付かされました。
長女も実は同じ気持ちを抱えているのではないかと。
元パパとの再会を決断
そこで、奥さんの反対を押し切って、長女の希望する元パパに合わせることを決断します。
新しい家族として幸わせに暮らしているのに、元パパとの再会で、家族が崩壊する恐れがあることを厭わずに・・・
そして当日。いつもと変わらぬ感じで長女を送り出す家族。
パパもママも心中穏やかではないはず。お互い平静を装い、次女との楽しそうに遊ぶ二人。
そして、元パパと再会して、そのまま一緒に暮らしてしまうのか、それとも実際に会ったものの幻滅して家族の元に帰ってくるのか
父ちゃんはつらいよとつくづく思う作品でした。