龍三と七人の子分たち

時代に合わせて変容していくものだけど・・・

「残業なんて当たり前」、「机の上でもタバコをスパスパ」、「足繁く通って情に訴えて仕事を取る」。そんな昔話をすると、今の時代にそぐあわない、それが通用するのは20年前の話なんて軽くたしなめられちゃう。

自分の考え方の古さに気づき、やっぱ今の考えに合わせなきゃダメねと思うのが普通

けど、この作品に出てくる龍三は全く合わせる素振りなど一切なし。

それがヤクザとしての俺の矜持とばかりに、自分の信念を貫く。だから、色々な所で摩擦が起きる。それが笑いを生む。

その見事なまでのズレっぷりがこの作品の笑いのツボなんです。

龍三と七人の子分たち

卑怯なやり方は許さん

自宅にオレオレ詐欺の連絡が入り、デリバリーの人間の前で満額用意できないから指を落とすので勘弁してくれだとか

組を新たに起こすので当時お世話になった組長に報告に行く

借金の取り立てがあまりにも卑怯極まりないと思えば、借金取りのくせに相手の涙にほだされてその場で現金を渡してしまう。

といった具合に男気溢れる振る舞い全開。

ところが暴対法後のヤクザはと言えば、武闘派というよりもインテリジェンス派が幅を効かせ、お金を稼ぐ方法も巧妙化。作品中にオレオレ詐欺による収入が描かれていましたが、このやり方に龍三は納得がいかない。

あらゆる場面で現役ヤクザとの衝突が起きます。ユーモア満載で。

龍三と七人の子分たち

昭和のヤクザを強し

子分もこれまた個性豊か。みんな刑務所生活を経験済みで、人を殺めたり、傷をつけたりは当たり前。ドスであったり、拳銃だったり。

なので、人を殺すことにさほど後ろめたさはなく、それはそれで怖い。

けど、皆どこか抜けている所があり、怖さはほとんど感じられない。

現役ヤクザとの最後の戦いも、今まで見たこともない人種なのか、却って怖さが倍増され、現役ヤクザが逃げる始末。

そこで許してあげればいいのに、子分を殺された親分としては後には引けない。

逃げる現役ヤクザを公共バスで追いかけ、最後はとっ捕まえてボコボコに。

現場で幾多の修羅場を経験していただけに肉弾戦ともなれば、例え年老いていようが強い、強い。

龍三と七人の子分たち

アウトレイジはまた違った演出

アウトレイジは鳥肌のもののヤクザ映画といった感じでしたが、今回の作品は肩の力を抜きながら観賞できるというもの。

北野たけし監督ならではの細かい笑い所も満載。

見事なまでの時代錯誤感がかなりツボにハマりました。

結局また刑務所暮らしとなるわけですが、出所後の龍三と7人の子分たちの続編みたいものです。