主なあらすじ
殺人の罪で裁判中の役所広司。被害者は勤め先の社長。動機はお金目当て。この方、過去にも殺人事件を起こしており、長い間堀の中での生活を余儀なくされ、今回で3度目。
ということもあって死刑の確実な所を、福山雅治演じる弁護士が減刑に向けて検事と裁判で争うというものです。
おそらく裁判制度に詳しくないと、この作品を理解するのは難しいと思います。
ある程度の知識があったり、弁護士を目指す人にとっては、かなりためになると思います。
のらりくらりの役所広司
犯人役の役所広司は謁見するたびに証言がころころと変わり、弁護側もお手上げ状態。人を食ったようなモノ言いで、真の動機が全く見えない。検事側はお金目当てと決めつけているけど、実の所、他に理由があったのではないかと被害者宅に聞き込みにいったり、彼の故郷に行ってみたり。
そこで、怨恨という線で、法廷で戦おうと決めました。
お金目当てよりも刑が軽くなるということで、減刑を狙う弁護側としては正しい選択かなと。
事件は意外な方向に発展
ところが被害者家族の娘役広瀬すずの証言で、おぼろげながら、彼の殺人の動機がおぼろげながら見えてきました。
殺された被害者は、広瀬すずのお父さん。食肉加工工場の社長さんでした。そこに働いていたのが役所広司。
つまり、従業員にパパを殺されてしまったのです。ところが悲しむどころか、むしろ安堵している様子。役所広司に対しても優しい目を向けているし、これは怪しいと。
広瀬すずとしても、事実を話ということもあって、彼女の口から衝撃の事実が。実は、この方、実の親から性的嫌がらせを受けていたとのこと。
その事実を知った役所広司が広瀬すずが不憫に思い、正義感からかパパを殺害したと。これが殺人の動機だったわけです。
ところが、この事実が白日の下にさらされると、広瀬すずのその後の人生がかわいそうと判断し、裁判中にとんでもない発言をぶっこみます。
否認は広瀬すずを守るためってどうゆうこと?
私は殺していない。これは死刑を目の前にして、怖くなったのかと思いました。裁判官も検事もこの発言に対しては一切聞く耳持たずの態度を取り、法廷がちょっとざわついたのですが、これが広瀬すずを助けるための演技だったのでは?と福山雅治が見抜くのです。
そのような事実を突きつけられたものの、相変わらずののらりくらりの役所広司。
観ている側も、否認の発言と広瀬すずをたすけるがどうつながるのか、二度観てもわからずじまい。自分にとっては難しい作品でした。