コメディの方が生き生きしている、広瀬すず「一度死んでみた」

一度死んでみたBlog 反省

20歳を過ぎても反抗期。お父さんはつらいよ

若くして母を亡くし、お父さんと二人暮らしの広瀬すず演じる七瀬。

洗濯機はお父さんと七瀬で別々。家中には赤い境界線がはられ、お互い相手の領域には入れない。席を並べて食事するも、臭いと言われて消臭スプレーをかけられる始末。

これが20歳を過ぎてもずっと続いているというのですから、堤真一演じるお父さんもさぞ寂しい思いでしょう。

一度死んでみた

自分の生い立ちを歌に乗せてシャウト

ヘビメタバンドのボーカルを務める七瀬。歌詞の内容はと言えば、恋愛ものでもなく、社会に対する不平不満でもなく、これまで父に自由を奪われてきた生い立ちをメインにしたもの。怒りの矛先は父。

映画タイトルの「一度死んでくれ」をシャウトしまくるも、決めポーズの中指立ちが何故か人差し指。

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本人は本格ヘビメタバンドを決め込んでいるようですが、どこか抜けている所に好感が持てました。

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歌詞の内容が現実に

お父さんはといえば、小さな製薬会社の社長さん。若返りの新薬開発に人生を捧げたと言ってもいいくらい、とにかく仕事の虫。妻の死に立ち会えなかったのもこの性格が娘の不興を買うことになったのですが・・・。

で、この若返りの薬開発の中で、2日間の間だけ死ぬことができるという薬。平たく言えば2日間眠りこけるという訳です。

人間の細胞を完全に停止させてしまうこの薬。停止中は身体も冷たく死体そのもの。しっかり三途の川も見ることができる。

この薬を部下の口車に乗せられて、飲んでしまった社長は、案の定ぽっくり。

事情を知らない娘は、父の死に触れ、今までの反抗的な態度をいたく反省し、深く悲しむのでした。

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父親の復活大作戦、始まる

この薬、2日間後には晴れて生き返るものの、肉体が消失してしまえば生き返ることもできないというのが盲点。

会社乗っ取りを画策する部下は、この盲点に気づき2日間後を待たずに死体焼却を企てます。

薬によって一度だけ死んでいる事実を知り、父の復活に奔走する娘。葬儀会場を押さえ、棺桶抑えなどなどあらゆる手をつくして、彼らの計画を阻止します。

それにしても豪華すぎるキャスト陣

果たしてお父さんは無事復活することができるのか。ぜひご覧ください。

それにしても、チョイ役で主役級の俳優がたくさん出ているのも本作品の見どころのひとつ。

登場回数が非常に少ない製薬会社の社員の中に、西野七瀬がいたり、キャバクラ嬢役で池田エライザが出ていたり、見終わった後に気づく俳優が数多くいました。

広瀬すずのコメディ演技も秀逸。しおらしい優等生的な役どころよりも、目ン玉ひん剥いた誇張しすぎの怒りの演技の方が強く印象に残りました。

むしろこっちの演技の方が彼女の魅力を引き出せるのはと。

キャストを見るもよし、広瀬すずの演技を堪能するもよし、ストーリーを純粋に楽しむもよし。見どころ満載の作品でした。

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