上方修正?自動車産業

クルマBlog 反省

前期比80%減から45%減に。トヨタ

コロナ禍で暗いニュースばかりの中、久しぶりの明るい話題と言えば自動車産業の回復でしょう。

日本を代表する産業、裾野がとてつもない広い産業だけに回復傾向にあるのは喜ばしい話。

コロナ禍で大ダメージを喰らい営業利益の通期見通しを前期比80%減としたトヨタが、7-9月では一転。営業利益の通期予想5000億円を3ヶ月で達成するというV字回復を見せ、45%減に上方修正しました。

V字回復の牽引役はアメリカ市場

アメリカ市場が予想以上に回復が早く、4-6月では前年同期比33%減だったのが、7-9月では約10%減と減少幅が大幅に縮小。

単月で見ると、前年を超える販売台数を記録する月もあるほど。

トヨタのみならず北米市場がほぼ主戦場のスバルも前期比62%減から48%減に上方修正しました。

各社の販促策が功を奏した格好

急激な市場回復を演出したのが、各社の販促策。有事ということもあり、大規模な施策が目立ちます。

GMなど各社はローン金利を0%、しかもその期間が84ヶ月、7年間無利子というの大判振るまいっぷり。

これに飛びついたのが富裕層。ピックアップトラックやSUVがバカ売れしました。

本格的な回復は低所得者層の需要回復

一方、貯蓄が厳しい低所得者層の需要は未だ低調のまま。新車のSUV、ピックアップトラックなど値の張るクルマには手を出せず、レンタカーや中古車に流れているとか。

富める者は株価回復の恩恵を受け、さらに貯蓄を増やし、コロナ禍でお給料が減った低所得層はさらに生活が厳しくなる。

このような2極化が更に深まる状況をK字回復と言っているようですが、この言葉が定着化しないことを願うばかりです。

全く浮かれた所なし。日本メーカー

上方修正で景気回復だーというのはあまりにも早計。日本メーカーもそんな事は百も承知。

富裕層による購買欲もいつまで続くかわからない。ある意味需要の先食いという見方もできます。

事実、ホンダでは9月単月ではCR-V、上位モデルのパスポートなどのSUVが過去最高を記録したものの、10月一転、前年同月を下回る台数に再び戻ってしまいました。

さらに悪いことに米国ではコロナの第三波の兆しが見え、予断を許さない状況となっています。

本格的な回復にはやはり低所得者層の回復を待たなければならないでしょう。

とにかく今は浮かれることなく、単月の販売台数を見ながら生産調整をこまめにしているといった所でしょうか。

日本経済を左右する産業だけに、この難局を乗り越えていって欲しいものです。

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