間伐は必要だよ
遠い昔に林業体験をした時のお話。そもそも森林伐採は悪として見ていませんでしたが、ある程度、伐採してあげることも必要だよという話を聞き、驚いたことを記憶しています。
とういのも、ある程度、森林を伐採して上げることで日光が根っこまで届き成長させてくれる。それと間引くことで、分散していた栄養を将来有望な木々に集中できる。
こうすることで木々はしっかりと地中に根を張り土砂崩れを防いでくれるのです。
で、間引かれた木々は廃棄されるわけではなく、割り箸やら家具などの第二の人生が約束されているのです。
こうして無駄をなくすことで森林育成がうまーく循環しています。
で、今回のお話は竹林の再利用の話。これが間伐材よりも将来有望な使いみちがあることで紹介したいと思います。
竹林は悪者扱い
そもそも竹林は、他の木々に比べると繁殖性が高い。放おっておくと杉やヒノキをも侵食して、その道の人いわく竹害とも呼んでいるほど。
放置してまうと、森林崩壊もありえるわけです。
ところがこの竹林に再利用するととんでもないものに化ける可能性が秘めています。
それがセルロースナノファイバー、略してCNF。です。
炭素遷移に生まれ変われる竹林
CNFは紙の原料であるパルプを、ナノメートル単位で細かく解きほぐしてつくられたもの。
こちらのCNF、樹脂とまぜあわせてると鉄の5倍の強度のくせに、質量は1/5の軽さ。酸素も遮るから包装材にも利用可能。
他にも車体への応用研究が進められたり、既に実用化も進んでおり、三菱鉛筆がインクにCNFを使ったボールペンを発売。近くカップ麺の容器としても実用化されるとか。
普及には生産コストダウン
それまでは、廃棄物、厄介ものと思われていた竹林も、CNFに生まれ変わることで、一気に有望な素材へと生まれ変わることができます。
この普及に弾みをつけるためにもコストダウンのマスト。
現在、1kgあたり4000円~1万円ですが、2030年には500円位まで引き下げる目標を掲げています。
CNF普及後の竹林は
それまでは、竹林の整備に自治体が補助金を出していたわけですが、この負担がなくなり民間だけでもやっていけるかもしれません。利益も出ますんで。
また全国の竹林を保有する人たちにとっても朗報でしょう。
それまでは二束三文にしかならなかった竹林が数千万、いや数億年?の価値を生み出す山になるわけですから。
繁殖率が高いということもあり竹林の枯渇はそんなに深刻にはならないと思いますが、普及が進めばありえる話になるかも。その内、竹林伐採禁止令なるものが発令され、全てが国の管理になったら本物でしょうね。