VWの革新的な共通プラットフォーム化
車台共通化というのは、遠い昔から各自動車メーカーで行われていました。コロナ3兄弟と揶揄されたマークⅡ、チェイサー、クレスタも同じ車台を使っていたんじゃないかな。
共通化することで、コスト削減はもちろん、開発日数を大幅に短縮できます。
これをさらに突き詰めたのが、vwのMQB(横置きエンジン社用モジュールマトリックス)。これの何が凄いかって言うと、コンパクトカーから高級車まで幅広く車台を共通化するというもの。
この革新的な生産方法は当時、車メーカーはもちろん、他業界においても大きな話題となりました。
てなわけで、フルラインナップメーカーのトヨタも、先を越されたとばかりに、トヨタオリジナルの共通プラットフォーム、TNGAを立ち上げました。
TNGA産カムリ発表
米国のドル箱車と言っても過言ではないカムリが、2017年フルモデルチェンジを迎えました。
全世界の販売台数の内、約6割をアメリカで販売します。加えて国内でも、それまでカローラ店の専売車種でしたが、他チャネルでも販売する併売車に変更。
トヨタも、このカムリにかける強い想いが感じられます。というのも、このカムリこそTNGAによって生産されたクルマだからなんです。
TNGAの難しい所
車台共通化で、メリットばかりが目につきますが、それ相当の苦労があるのには驚きました。
というのも、設計段階までに遡って決めるべき事が山ほどあります。例えばどの車種とどの車種を共通のプラットフォームにして、その内どの程度、部品を共通化していくかなど。
これWEBの制作で言えば、CSSに似たような感じで、膨大なページ量になるとフォントサイズ、レイアウト、写真の大きさなどこと細かく決めていきますよね。最初は大変ですが、設計図が出来上がれば、後は半自動で流し込みをしていけばいい。生みの苦しみはあるけれど、その後の作業は格段と楽になります。
WEBの場合は、制作過程で、サクッと仕様変更はできますが、クルマ生産ともなれば、そうはいかないでしょう。
カムリパート2も登場予定
あらかじめ車台を共通化する車種のことも考えて設計していかなければならないTNGA。今回の発表となったカムリの兄弟が、今後発表される可能性も十分に考えられます。
開発はほぼほぼカムリと同タイミングで進行していたのでしょう。
また他車種にも転用されることを考えると、5年後、10年後を見据えた開発になるかと思います。
でないと、現在の基準に考えると10年後には時代遅れのプラットフォームになりますから。
そう考えると、今回のカムリは、かなり先を行っている感じがして期待が持てます。