百貨店、スーパーの不振を尻目に
小売業が不振の中にあって、コンビニだけは唯一の希望の星。年々店舗数は増加し、まだまだ成長の余地はあると思われがち。
けど、儲かっているのは本部だけ。FCのオーナーは悲惨極まりないという状況。コンビニを経営するオーナーの倒産件数は2017年の1-9月は37件。前年同期が30件。年間でも5年連続で増加しているとのこと。
新規出店に目が行きがちだけど
1店舗当たりの売上高の伸びがここ20年間横ばいだとか。店舗数を増やしつつ売上高を維持するには、客単価アップが必須。これは本部の商品開発の賜物と言われていますが、現場側で見れば、ロイヤリティを払ったり、人件費や運営コストが上昇。手元に残るお金が年々減っています。
年収600万円が今では・・・
あるコンビニオーナーのお話では、脱サラしてコンビニ経営を始め、開業当初は年収600万円。同世代のサラリーマンと同じ位の収入を稼いでいました。
子供を大学まで行かせ、社会人へと順調に人生設計が回っていました。
潮目が変わったのが、競合他社の出店。それまで、これといったライバルがいなく無風状態だったのが、競争が激しくなったことで、売上が減少。さらに追い打ちをかけるかのように、同業のコンビニが出店し、さらに売上が悪化。今では年収400万円に落ち込んだそうです。
競合他社ならまだ許せるものの、同業のコンビニが出店とは・・・
この本部のドミナント戦略が加盟店を苦しめているようです。
ドミナントの利点
コンビニにかぎらず、居酒屋でも、同地域に集中的に店舗を出店する例はよく見られます。
配送効率も高まりますし、本部としても、競合チェーンの進出を未然に防ぐという攻めの理由もある。加えて、そのエリアのニーズを根こそぎ刈り取るという点でも、意味のある戦略です。
そう考えると、会社近くにやたらとセブンイレブンが多いのも、ドミナント戦略の一環なのでしょう。
同じオーナーさんならまだしも、別々のオーナーさんともなれば、大変でしょうね。
高騰する人件費
このままでは店舗を出店するオーナーさんが出てこないのではと思います。
事実、オーナーさんがまだ決まっていないのに、すでに何店舗か経営しているオーナーさんに新規出店の打診をする位ですから、本部もオーナーさん集めに四苦八苦なのでしょう。
そんな状況からか、セブンイレブンがロイヤリティを下げたりと加盟店さんの声に耳を傾け始めています。
他にも24時間経営をやめたいという要望を受け入れたファミリーマートなど、コンビニ網を維持していくためにもオーナーさんの要望を受け入れる事例が今後増えていくことが予想されます。
お互いウィンウィンだと良いんでしょうけど・・
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