ピエロという姿が怖さを増長
小さい頃、マクドナルドのピエロがどうしても怖くて怖くて。なんでこんな不気味なピエロを怖がらずにむしろ笑顔で遊んでいる姿を見てどうかしてるぜと思っていたあの頃を思い出せるような作品でした。
この作品に出てくるピエロがまさしくそれ。愛嬌のある笑みの裏に隠された残虐極まりない性格。見た目とのギャップが大きすぎるだけに却って怖いものがありました。
子供がいなくなる呪われた町
ある雨の日、お兄ちゃんに作ってもらった船を雨で水がうっすらとたまる路面に浮かべ遊んでいた弟。勢いよく船は走り出し、それを楽しそうに追いかける弟。
ところが、船が排水口に落ちてしまい大慌て。
排水口を覗いたら、そこには、今落ちた船を手にしたピエロが・・・
この冒頭のシーンで、一気にこの作品に吸い込まれていきました。
船を返してとせがむ弟。ピエロの持つ船に手を伸ばした所をピエロにパクリと腕を食いちぎられ、弟は忽然と姿の消してしまいました。
スタンド・バイ・ミー的なノリ
弟の失踪事件は、今に始まったことではなく、この町では昔から小さな子どもたちだけが何故か行方をくらますという事件が頻発していたのです。
大人たちは、これを呪われた町と、そう読んでいました。
んで、失踪した弟を見つけ出すべく立ち上がったのが、中学生位の仲良しグループ。
事件の謎を解く秘密は下水道にありと踏み、誰も足を踏み入れたことのない場所に向かいます。
季節はちょうど夏休み。子どもたちだけで旅をするスタンド・バイ・ミーを思い出してしまうのは僕だけではなかったはず。
見知らぬ何かを発見するドキドキ感を思い起こしてくれました。
果敢に攻める少年探偵団
下水道探検では特に手がかりにつながるものは発見できなかったものの、仲間の一人がある廃墟の前でゾンビのような人間に遭遇。慌てて逃げた先に現われたのが、弟の腕を食いちぎったあのピエロ。
ことのなきを得た彼は、仲間にそのことを伝え、このお化け屋敷に何か秘密が隠されていると踏み、この家の探検を始めたのです。
逃げるではなく立ち向かう勇気
この勇気ある行動に、若さって素晴らしいなと思いました。この家に入ったらピエロの餌食になるのは目に見えているのに、それを知っていての行動ですから。
案の定、不思議体験のオンパレードで命を取られる恐怖体験もし、ピエロとのご対面も果たします。
命からがら廃墟から逃げることができた少年探偵団。
このままピエロに怯える日々を過ごすのはまっぴらとばかりに再びピエロとの戦いに挑むのですが、勝敗はいかに。
子どもたちが勝利するのか、それとも失踪してしまった子どもたちと同じ運命を辿るのか、そこは見てのお楽しみです。