たったの9000万の支払いで・・・
コロナショックで一部上場企業最初の倒産となったレナウン。
資金力が豊富な大企業でさえ、コロナに打ち勝つことができない。各方面に驚きを持って受け止められたことでしょう。
倒産を決定的にしたのは連結子会社への支払いができなくなってしまったというもの。その額約9000万円。
レナウンの売上規模からすると、さほど高額にも思えませんが、それほどに財務が傷んでいたことを物語っています。
社員は給与4割カット、備品類の購入いたるまで禁止。お客様用の紙袋は百貨店のものを使用するなど、とにかく経費削減に努めていたものの、それでも9000万円は用立てできなかったというのは残念でなりません。
社内からの驚きの声はほとんどなく
今回の倒産を受け、中の人の受け止め方は至って冷静。経営陣を厳しく糾弾することもなく、来る時が来たという感じ。
16年間で黒字が4年という実績からもわかる通り、ほぼほぼ赤字が常態化していたレナウン。
この状況を経験していれば、観念してしまうのも納得が行きます。
他社も明日は我が身。
コロナ前から厳しと言われていたアパレル業界。レナウンの倒産で一気に危機感が強まった感じすらします。
バーバリを失い現在、再建途上の三陽商会では大株主の投資ファンドが身売りを提案。
当初、同業のワールドを想定していましたが、とてもじゃないけど、買収する体力などなく、自社の生き残りさせていくだけでも必死な状態。
となると有力な買収先となると中国企業が最有力候補になってくるかなと。
買収先は中国?それともネット企業?
というのも、日本進出にあたって日本企業を買収してしまえば、日本式の流通・小売のノウハウを短期間で手に入れることができます。
デサント株を取得した中国企業もまさにこれを狙いとしたものになります。
他にもネット企業がリアル店舗の出店で、アパレル企業を買収することも十分考えられます。
Amazonもリアル店舗に当たり、買収により運用を開始ししましたし。
となると日本で言えばZOZOTOWNあたりが、新たなスポンサーに名乗りを上げることも十分考えられます。
ネットとリアル店舗の両者を持つことで商売の幅も広がることでしょう。
ゾンビ企業の淘汰始まる?
コロナ禍前までは世界中が有頂天状態。お金があまり経営が厳しくても低金利でお金が調達できました。
本来、業績の悪い企業には高金利での貸し出しが常ですが、マイナス金利まで導入されるとなると、貸したほうがまだましとなり、じゃんじゃん企業に貸し出ししてきたわけです。
それを良い事に、お金を融資してもらい何とか生き延びてきたゾンビ企業ですが、コロナ禍により水道の蛇口は閉められ、倒産への道を突き進んでいくのですが・・・。
とは言え、ゾンビ企業だけに再び復活することも十分考えられます。再起を期してレナウンが復活することを切に願うばかりです。