凍結という表現が刺さる、イオンの「値上げ凍結宣言」
地方スーパーにとっては戦々恐々の存在とも言えるイオンが、この物価上昇の最中にぶち上げたのが値上げしません宣言。
消費者向けのメッセージ値上げ凍結宣言というコピーは言い得て妙。そもそも「凍結」という言葉にはどうしても負のイメージがつきまといますが、このコピーに関しては逆。好意的に受け止めてしまうのですから不思議です。
値上げ凍結は2022年6月30日まで時限的なものですが、最初に発動したがの昨年の9月。それから延長、延長を繰り返し半年以上も物価高に耐えているのですから、中の人は大変苦労されていることでしょう。
しかも、期間延長に加え、対象商品を3000品目から5000品目に拡大。他の追随を許さない規模と言えます。
同期間中に売上高は前年比15%アップ。損して得とれとはまさにこのこと。この先もさらに延長するのか、その際は、続・値上げ凍結宣言などメッセージも変化をつけて欲しいものです。
エブリデイロープライスの旗は降ろしませんよ。西友
ダイエー、ウォールマート、そして楽天と提携先がコロコロと変わって何かと大変だと思われる西友。
ウォールマート傘下時代に掲げたエブリディロープライスは、この物価高の中でも健在。キャンペーンタイトルは「がんばるプライス」。どこか必死な感じが伝わってきて苦労していることが伺えます。
価格据え置きしつつ量を少なくするというのを良く耳にしますが、西友の場合は、量もそのままですようというのがウリ。ちなみにこのような対応をステルス値上げと呼ぶようで、うまい表現だなと思った次第です。
調達力に加え、協力メーカーも大変なのよ
イオンや西友が物価高に耐えられる続けるのは規模の大きさによる所が大きく、大量仕入れを約束する代わりに価格据え置きなどの交渉を優位に進められることができます。
加えて店頭では、粗利率の高い商品と低い商品をガッちゃんこさせたマージンミックス等、売り場の工夫・知恵などもあり、利益を確保する努力が進められています。
メーカー側も、安さが一番のPB商品ということもあって、パッケージを薄くしてみたり、余分な原材料をなくしたり、ダンボール規格の統一、物流の見直しなど、これまた絶え間ない努力をしているとか。
製販一体とならないとこの難局を乗り越えられないことがわかります。
それにしても、イオンは安い。マヨネーズが税込み170円って。この前近くのスーパーで買ったのが200円強ということを考えると、イオンにスイッチしようかなと思った次第です。