コロナ禍で倒産件数は増えているけど
コロナ禍で廃業に追い込まれる企業が増えているかと思いきや、2020年の倒産件数は前年比7.2%とむしろ減少しています。
ところが東京商工サービスの調査によれば休廃業・解散数は前年比14.6%増。実数ベースでは倒産件数の約8,000件に対し、休廃業・解散数は約5万件と5倍近い数字になっています。
しかも、その内6割が黒字企業というですから、先の見えない現在の状況で体力のある内に店をたたもうという社長さんが多いのでしょう。
待ってましたのM&A仲介業者
休廃業・解散する企業を狙って、現在おお忙しいのM&A仲介業者。これまでは中小企業の抱える後継者問題などが主なお客さんですが、コロナ禍で解散する企業もお客に加わり、さぞ大忙しでしょう。
当然、仲介業者間での競争も激しく、その様子はまるでクルマの下取り会社の様相を呈しています。
友人がBMWも買取会社数社に相談した所、想定したよりも高値がついたとか。
んで、話を企業買収に戻すと、解散を検討している社長さんが仲介業者数社に相談した所、1社は5億円、もう一方は3億円と2億円もの開き。
とは言え、高く買ってくれるならと5億円を提示した仲介業者にお願い。約150社ほどの売却先企業を提示してもらいまいましたが、社長さんが希望していた自社とシナジー効果を望める会社はほとんどなし。
結果的に、この社長さん、3億円を提示した仲介業者に切り替え意中の企業に買収することができました。
が、驚いたのはこのあと。買収先企業との引き合わせなどでコンサル量的なフィーが発生するのは理解できるものの、リストアップしただけの企業に足してもフィーが発生するというもの。
ので、一度、仲介業者に相談したら、そう簡単には切り替えできない仕組みのようです。
解散は自己責任だけど、銀行さんにも一部責任が
そもそも中小企業は、銀行さんから経営の助言など受けながら、二人三脚で会社を成長させていくものと見ていました。
経営状況を見ながら、融資をしてくれるわけですが、コロナ禍により国の施策などもあり、焦げ付いた場合は国が保証してくれるなど融資しやすい環境にあります。
ので、黒字企業であろうと、積極的にお金を借りてくださいと企業側にお願いするわけですが、融資にも長期と短期の2種類があり、比較的長期を勧めがち。
というのも短期融資は長期と異なり、担保がつかないこともあり銀行がリスクを負うことなり貸し倒れ引当金を積む必要がある。
んなわけで、長期を結ばせたがるわけですが、仮に長期融資を契約しても返済が重荷となって解散に追い込まれる可能性も出てくるわけです。
そう考えると、国としても短期融資を進めやすい環境も作って欲しい。
と感じた次第です。