新規株式公開(IPO)という言葉の響きにゾクゾク
IPOと聞くと、ゾクゾクする人も多いのではないでしょうか。特に満を持して上場するような会社などには、大抵公募価格よりも高値がつきます。
ってことは、ハズレの確率が低い株券ということもあり、多くの投資家さんが殺到します。
で、この公募価格というのが、証券会社で決められているということを初めて知りました。
主幹事とは何ぞや
昔、山一證券の解散までの日を題材にした小説に、フジテレビが上場する際に主幹事になった事が触れいました。
主幹事とは大変名誉あることで、主人公も社内で大変鼻高々。まさかその数年後に、自分がシンガリを務めるとは思ってもいなかったでしょう。
確か30数億年の売上をあげたということで、手数料といっても規模が大きくなると、とんでもない金額になるのかとあらためて実感しました。
公募価格の値付けには証券会社の思惑も
みずほ証券会社が、公募価格の値付けで恣意的に決めたということで公正取引から注意を受けました。
IPOを控えるある会社は、みずほ証券とは別口で、市場価格の妥当性を確認した所、その値は、みずほ証券提示の金額よりも上でした。
また別の会社は、機関投資家に公募価格を相談。こちらの答えもみずほ証券の提示金額馬上でした。
とは言え、これらの意見を一切受け入れず、当初の金額で公開したものだから、公取から横槍がはいったのです。
予想を覆す結果
蓋を開けてみれば、公募価格を上回る株価がついたことで、IPOした会社はほぞを噛むことになったわけです。
というのも、資金調達はあくまでも公募価格✕株数であり、上場後の価格ではありません。てなわけで、もう少し高めの公募価格を設定していれば、調達資金も増えたのにとなるわけです。
とは言え、証券会社にも言い分があるのよ
公募価格を抑えるというのは、色々と事情があってのこと。例えば
- より多くの人に、株購入の機会を与えられる
- 公募価格を下回った場合の損失を極力抑えるため
- 上場後の株売買を促し、手数料収入を継続的に稼ぐ
証券会社もつらいよ
てなわけで、必ずしも自分たちが利するために、公募価格を低く抑えているのではなく、上場企業、投資家のことに配慮していることが伺えます。
新規上場した企業は、上場後の株を買い戻し、値上がりを売却すれば、さらに資金も増えます。
恐らく多くの投資家は上場後の株をすぐに売却してしまうのですから・・・。
てなわけで、証券会社も新規公開から上場後、その先を見据え企業の資金調達をサポートしているのでしょう。とにもかくにも株売買だけでない、企業を育てるという意味で、証券会社の守備範囲は広いだなと実感しました。