シャープ失速は日本勢の共食い
経営危機に瀕しているシャープですが、そもそもの原因はスマホ用液晶の売上計画の読みが目算通りに進まなかったことが原因。勢いに乗る中国スマホメーカー勢への液晶提供で黒字を見込んでいたのに、思わぬ所からライバルが出現し、恐ろしい程の買い叩きにあい思っている程利益を上げることができなくなりました。
で、このライバルはと言えば、同じ日本国のジャパンディスプレイだったのです。
日本のものづくりを守ろう的な触れ込みで立ち上がったこの会社。蓋を開けてみたら結果的に同じ仲間の足を引っ張っていたのでは?と思いました。
アップル有機ELの衝撃
ジャパンディスプレイは中国スマホメーカーの他にもアップルにも液晶を供給しています。バカ売れデバイスですから売上額も相当でしょう。が、ここに来て雲行きが怪しくなってきました。
アップルが2018年以降有機ELの採用を表明。
この話を受けて韓国LGが有機ELパネルの工場建設を発表。とにかく動きの早さには関心させられます。
ジャンパンディスプレイもこの流れに乗っかりたいところですが、量産」に向けては技術的ハードルがまだ多いとのことで、ややお手上げ状態。
サムスンも息を吹き返すよ
アップルの液晶から有機ELへの移行で、一番喜んでいるはサムスンでしょ。2015年はサムスンの不振でも触れましたが、新製品の売れ行き芳しなく生産調整を余儀なくされました。
このままではマズイ。てなわけで、有機ELの外板を本格的に始めることにしたのです。
で、恐らくサムスン側からアップルに対し、有機ELの供給を打診したのでしょう。
その道のプロが有機ELは量産化のハードルが高いと言っているように、量産化できるメーカーは世界を見渡してもわずかなんでしょう。が、サムスンが提供してくれるというのならば話は別
サムスンは年間数億台分の有機ELパネルを量産しますんで、安定供給は可能ですし、何よりも低価格での仕入れが見込めるわけです。
どうす日本の液晶勢
サムスンの有機ELの売り先はアップルはもちろんのこと、中国のスマホメーカーにも向けられ、もの凄い営業プッシュが行われているはず。
となると、さらに苦境に立つのがシャープとジャンパンディスプレイの日本の液晶メーカー勢。
この際、両者が合併して、サムスンの対抗馬にならない限り日本のものづくりはまたまた世界から取り残されていくかもと思った次第です・・・