戦は情報戦
古今東西、戦を左右するものは情報。というのを改めて実感した作品でした。
古代中国でも、各国からスパイにばらまき集めた情報を基に戦略を練る。
孫子の兵法にも「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉がある位ですから。
第二次世界大戦も同様。敵国の通信を傍受。が、これが難解を極める暗号。恐らく今世紀中は無理と当時は言われていたのに、解読に成功したのが、本作品の主人公、天才数学者アラン・チューリング。しかもこの方の存在はつい最近に秘密にされていたというのがですから、驚きでした。
イギリスも当時は大変だったようで
日本から見た第二次世界大戦というのは学校の授業やら小説などである程度の知識はありました。が、他国の事情というのは全く。
この映画ではイギリスVSドイツの戦いが描かれていますが、日夜空爆にさらされたり、アメリカから輸入される食料がことごとくドイツの潜水艦に撃墜されるなど、ほぼ風前の灯といった感じ。
他の欧州諸国みたいに、ドイツに占領されるのも時間の問題といった感じでした。
MI6立つ
あの007で有名なMI6。防戦一方の自国を何とかせにゃあかんということで、ドイツの暗号解読にとりかかります。その声をかけた一人に天才数学者アラン・チューリングがいました。
他にもキレキレの天才学者もいましたが、彼らとは一切交わらず、独自のアプローチで暗号の解読を進めていきます。
というのも、この解読、数十億のパターンから暗号を解読しなければならないという途方も無い作業。人力ではなく機械におわせた方ないと無理と早くから解決の糸口を発見していました。
まるで大型レコードプレーヤー
で、天才数学者アラン・チューリングが作ったのが、大型の解読機械。円盤状の機械が壁面に数十個取り付けられ、暗号を入力するとグルグルと周るという仕組み。
ビンゴとなれば、グルグル回っった機械が停まり、その止まった所の英単語を結びつけると暗号が解読されます。
が、暗号を入力してもずっとグルグルグルグル回るだけ。一向に止まる気配なし。止まらなければ解読は成功したとは言えない。
MI6からの与えられた猶予期間は1ヶ月。
もうだめかという時に天才数学者アラン・チューリングに閃きが起きました。
通信会社の女性の一言で歴史が大きく転換
彼の閃きのトリガーになったのが、婚約者の友人が発した一言。実は彼女、通信会社のスタッフで日々、ドイツ人と通信のやりとりをしているそうで、毎回決まったワードが入っているとのこと。お決まりの決め台詞とでもいいましょうか。
このヒントをキッカケに機械を改良して、見事暗号の解読に成功したのです。
戦争終結を2年近く早めた功績
この解読をキッカケに連合国は様々な場所で勝利を手にします。これも暗号解読の賜物。そして歴史学者曰く、天才数学者アラン・チューリングのこの功績により、戦争終結を2年近く早め、何千万人の命を救ったと。
が、mi6の案件だけに、この情報は歴史上が抹殺され、なかったことにという世に知られることなく今の今まで経った訳です。
が、つい最近、彼の功績が知られることとなり、エリザベス情報から恩赦を与えられました。
歴史の影にこんな素晴らしい功績を残した人がいたなんて、その事実を知っただけでも満足です。