経験と勘に頼っていた農業
高齢化が進む農家の救世主となるか期待されているのが土壌のデータを数値化した技術。
今までは農家の方の勘と経験に頼り、肥料を巻く量やらタイミングを決めていました。
肥料を上げすぎても少なすぎてもダメ。微妙なさじ加減が肝でした。
画像解析で育成状況を判定
まずは田んぼの上空にドローンを飛ばし、稲を撮影。
葉の色や茎の数を分析し、ここから窒素やタンパク質、含有量を弾き出します。
これにより育成状況はもちろん味までデータ化できるそうです。
お次は肥料散布
このデータを元に、稲の育成状況を把握することができたので、次は育成状況に応じ肥料を散布する工程に移ります。
ヤマハが開発した肥料散布ドローンが田んぼの上空を舞い、5㎡ごとに投下する肥料を変えながら散布していきます。
今までは背中に散布機をしょって行っていた作業が、ドローンに置き換わることで、作業の省力化と最適な肥料散布量を実現したのです。
これにより経験と勘に頼っていた作業が、一般化されることに大きく前進したとも言えます。
収穫量アップで証明
まだ実証実験段階ながら、収穫結果は上々。食味によって価格が左右されにくい普及米で14%の収穫量アップ。ブランド米と呼ばれる食味重視の米でも、収穫量は落ちたものの、収入は33%アップ。
収穫量と食味アップの両者を実現させたことは非常に大きい成果と言えます。
トータルで考えると20万㎡換算の田んぼで300万~700万の増収なったと言うのだから、今後の普及に期待が膨らみます。
人間知に近づくデジタル技術
囲碁の世界で、AIが人間を打ち負かすというニュースが話題になりましたが、これに近いものが今回の事例でも起きています。
この実験で、田んぼの窒素量を調べる実験で、その数値は農家の経験値と一致したそうです。
さらに賢くなるデータ
さらにこのデータに、様々な水田のデータをぶち込めば、人間の知見を超えるようなことも考えられます。
今後、震災で津波を被った土壌やら稲が病気になった田んぼのデータを収集していく予定だとか。
日本農業もITの力で、斜陽産業から成長産業に移行するかもしませんね。
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