30年前以上から提唱されたいた夢の技術
IBMが2017年11月、量子コンピューターの試作機を発表しました。こちらの量子コンピュターは、方式というものが色々あって、IBMが開発したのが量子ゲートというもの。
こちらの技術、何とまだ一般家庭にパソコンが普及していない古くに、既に提唱されていた技術でした。が、装置開発が難しく夢の技術としばくら言われており、なかなか実現に至らなかった。その扉をIBMが拓いたと言うわけです。
ある意味、革命と言ってもいいでしょう。
量子コンピューターってそもそも何?
今、私達がつかっているコンピューターは、0と1を置き換えて、一通りずつ処理をしていくというもの。。計算スピードを上げたくてもどうしても限界がある。その道の専門家が言うには、約50量子ビットに相当する速度が限界と言われています。
一方、量子コンピューターとは、物理法則の量子力学を使って計算する。わかりやすく言うと0と1が同時に存在する量子ビットなるものを活用します。これでもイマイチわかりにくい。
コンピューターを使う側のメリットで考えるならば、大規模計算でも瞬時に計算してしまう。とにかく処理スピードが恐ろしく早いというものです。
他の方式では既に実用化も。量子アーニング
IBMが開発した量子ゲート方式以外を見れば、既に実用化されている量子コンピューターもあります。
カナダのベンチャー企業が開発したDウェーブ・システムズ。こちらは
量子アニーリング方式を使い、1台約10億円で販売され、NASAや日本の部品メーカーデンソーが既に導入済みだとか。値段を聞くと、たかがコンピューターにそんなに?と思っちゃいますが、これを使うことで、10億円以上の価値を生み出すのでしょう。
VWも、量子コンピューターを使い北京のタクシーの巡回ルートを最適化し、交通渋滞の緩和に取り組んでいます。
例えば、17ヶ所の巡回地を経由したルートを組み、そこにさらに巡回先を1ヶ所増やすと、そのルートは10兆を越えるというもの。
人間の頭では考えつかないような鬼のような複数パターン提示してくれます。
このように量子アーニングは、ある組み合わせの最適化問題には強いけど、他のお題に対しては、あまり得意ではないという欠点があります。
汎用型か特化型か。汎用だからこそIBMは凄い
量子方式では、大きく分けてIBMが開発した汎用型と、カナダのベンチャー企業が開発した「特化型」に大きく大別されます。
特化型は既に実用化されていますが、汎用型はこれから。んで、汎用だけに様々な計算に使われることが期待されています。
IBMの他にも、Google、マイクロソフト、アリババなども開発に手を挙げており、今後は目が離せない存在になるでしょう。
一般家庭でも量子コンピューターが普及する時代が来ることを夢見ています。
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