蓋を開ければ泡がこんもり
若者のビール離れが久しい昨今。ビールメーカーはこれまで様々な新商品を出すものの、どこもこれと言ったヒットが出てない状況。
新商品と言えば、ターゲット好みに味を寄せたり、これまでにはない味と味を切り口にしたものが相場ですが、アサヒが2021年に発売した商品は、見栄えを意識したものとこれまでの新商品の常道から外れたもの。
その新商品とはジョッキ缶というもの。缶ビールの蓋を開けるとこんもりと泡が盛り上がるもので、これまでにはない見え方ということもあり、感度の高い若者を中心にヒット。当初予定の98万缶は既に売り切れ只今、嬉しい悲鳴と言いますか販売を一時停止するほどの賑わいを見せています。
特大のインフルフェンサートライアル
発売から遡ること3ヶ月前から入念な準備を進めていたアサヒ。その一つにツイッター、インスタ、You Tubeなどのインフルエンサー2000人に商品を送り、SNS上へのアップを展開。
この手法、特段目新しい販促活動ではありませんが、とにかく規模の大きさという点では他に類を見ないほど。ここまで思いっきり惜しげもなく予算を投下したことが、初動販売の爆発力を高めたと言ってもいいでしょう。
SNS投稿を助ける仕掛けにも抜かりなし
このインフルエンサー投稿のバズりにより、フォロアー層をしっかり掴むのも抜かりない。缶ビールの容器には正しい泡の出し方なる動画が見れるように、QRコードを貼付。
これにより、インフルエンサーの動画を見た人達が、自分で実際にやってみる。が、その動画が残念な結果になることを防ぐために、注意をうながすという意味で動画を用意しているとも言えます。
この商品12度以上で蓋を開けると泡が溢れ出すようで、そのような動画がアップされるのを防ぐためなのでしょう。
とは言え、動画を見ずにアップしたのか、面白半分でアップしたのか泡が溢れ出す動画をアップする人も少なからずいるとか。
そのようなネガティブな動画対策として、hp上では、温度が高いと泡が溢れ出るので注意してねと注意を促しています。
供給責任を果たすべく今現在は販売中止中
初動で爆発的な販売を記録した缶ジョッキ型スーパードライ。現在は一時的に販売を停止していますが、次回は2021年6月15日から販売するとか。
メーカーとしては万全を期して品薄を極力起こさないよう、しっかりと2ヶ月近くの生産期間を設けて対処するとか。中の人にとっては歯がゆさいっぱいといった所でしょう。
餓鬼感がさらにヒット感を助長する可能性あり
このように品薄状態が続くとなると、消費者にとって迷惑千万なところもありますが、この餓鬼感がさらなるヒットを助長するかのせいも高いかなと。
とは言え、品薄が続くようであればメーカーの供給責任を果たせないこともあり、専用缶のライン増強を進めています。
一節には、それでも需要に追いつかないという声もありますが、このフィーバーっぷりがいつ終息するかもしれないため、判断が難しくなることでしょう。
昨今の商品寿命は短命傾向がかなり強まっており、ラインのだぶつきだけは避けたいところです。
とにもかくにも自分も、このこんもり泡を試してみたいと思いました。