諦めずに捨てなかった。10年越しの復活。いつかは報われる日が来る。

新商品・サービス

売上高0円ともなれば、断念するでしょう。普通は

営利を目的する企業活動ともなれば、結果の出せない事業は早々に閉店に追い込まれるのは常。大企業ともなれば、その事業を売却したりして、儲かる事業にリソースを集中させる。ひと昔前に流行った選択と集中を思い出します。

当時は、どの企業もこのフレーズを使っており、どこも採算性の低い事業イコールペケという空気が漂っていました。

ところが、時代が変われば、いつかは日の目を見ることもあるというのが今回のお話。無双状態とも言える抗菌剤を開発したQテクノロジーは、コロナ禍で売上高0円の事業が、会社全体の1/3を占める売上を叩き出す事業に大化けしました。

効果が強すぎてドラッグストアから拒否られる

今から遡ること10年以上前の2008年、Qテクノロジーはインフルエンザやノロウィルスを不活化する抗菌剤を開発しました。この期間は何と4週間という長さ。

当時としてはかなり画期的な商品でしたが、その効用期間の長さが仇となったのか、商品回転が悪いという理由でドラッグストアでの取り扱いは叶わず、売上もイマイチ。次第に社内での立場も悪くなり、最終的な売上高0円に。

こうして10年以上もの間、倉庫で時を過ごすこととなったのです。

消毒

転機はある商社マンからの電話

潮目が代わったのが、2020年3月のコロナでマスクが品薄状態となった頃。10年以上前に売り込みをした商社の担当がこの商品を覚えていたようで、例の効用期間の長い抗菌剤を使えないかという相談の連絡が入りました。

この電話をきっかけに、抗菌剤は目覚ましい復活を成し遂げます。十数年ぶりに生産が再開されるや否や、続々と採用してくれる企業が増え、東武鉄道では171ある駅の手すりや券売機の抗菌加工に採用。

さらに、この抗菌剤を使ったゲート什器、抗菌Qゲートを開発。ヤクルトスワローズの本拠地神宮球場での採用が決まりました。

消毒

工場の増設、24時間フル稼働

降って湧いたような特需にQテクノロジーは大忙し。一時は24時間フル稼働という時もあり、工場の増設も決定しました。

飲食店、交通施設などなどで従業員がスプレーを片手に抗菌剤を噴霧する姿をよく目にしますが、Qテクノロジーの抗菌剤であれば噴霧する回数も大幅に減り、スタッフの負荷も軽減されるます。

東武鉄道では1日5-6回の噴霧作業が、1週間に1回にまで減ったとのこと。

消毒

ドラッグストア側から見れば、確かに商品回転は悪くなりますが、消毒作業をする側としては、ありがたい商品。

本丸のドラッグストアも消費者の声に押されて採用する動きにでもなれば、さらなる需要増が期待できます

10年以上と気の遠くなるような話ですが、諦めない姿勢が大きな果実を得た好例と言ってもいいでしょうね。

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