圧倒的に強かった半導体産業
1990年代初頭は世界を席巻した日本の半導体産業。我が世の春を謳歌していたものの、その後のパーソナルコンピューターの普及で状況は一変。韓国、台湾の猛追にあい、首位陥落。
いつしかDRAMもコモディティ化していしまい、価格勝負となってしまい、開発会社はどんどん撤退していきました。
IoTで復活なるか日本の半導体産業
が、日本の半導体産業にも朗報が。ここ数年話題となっているIoTに、日本の半導体産業が再び脚光を浴びる期待が膨らんでいるのです。
モノとモノが通信で結ばれ、少量多品種でもローコストで対応できちゃうという夢の技術。
ドイツ、アメリカは日本よりも一歩先ゆくほど普及が進んでいます。
IoTの肝と言えるセンサー
IoTは工場で使用される他にも、色々な用途があります。
エネルギー産業、スマホ、医療、流通、インフラ、クルマなどなど。
これだけの産業に普及するとなれば、半導体復活の期待も膨らみます。
この半導体が使われるのが、モノを吸い上げる部分のセンサー。ここがマトモに情報を吸い上げることができなければIoTも絵に描いた餅です。
例えば、橋脚内にセンサーを仕込み老朽化情報を吸い上げるセンサーを仕込むとします。が、誤作動ばかりで全然老朽化していないのに、老朽化と誤認して情報を吸い上げるようであれば、全く意味をなしません。
このセンサー部分の技術では日本は世界でもトップクラス。金額ベースで世界のセンサー市場の約半数を占めているのはそれを物語っていると言っても過言ではないでしょう。
韓国、台湾勢のキャッチアップは大丈夫?
そこで気になるのがDRAMと同じように、センサーもコモディティ化して、韓国、台湾勢に追いぬかれてしまうのでは?という心配。
が、そんな心配も杞憂に終わりそうで、そもそもこのセンサー技術というのはアナログ分野に属する技術。
で、キャッチアップされたのはデジタル分野。真似るのも簡単です。アナログとなれば話は別。技術力がモノ言う世界なので、それなりのノウハウ、実績の蓄積がないと太刀打ちできません。
センサーは奥深い
アナログ分野とは、リアルな世界で起きる事象をデジタル信号に置き換えるということ。
例えば、橋脚メンテの経年劣化を熱で調べてそれを数値化したり、クルマで言えばエンジン音を数値化して、異常を検知、医療では人の息を数値化して、病気を調べるとか、そうゆうことだと思うのです。
といった具合に、分野によっては情報の吸い取り方が異なるため、全てひとつひとつセンセーを構築していかないとなりません。
再び日本の半導体産業が脚光を浴びる日が来ることを期待しています。