中国の都市と言えば
中国と聞くと真っ先に思い浮かぶのは上海、北京位ですが、これらの大都市と並んで注目を集めているのが深圳(しんせん)市です。
場所はどちらかと言うと沿岸部で、香港の上にあたります。
春秋戦国時代、三国志で言えば呉の国。ほぼほぼ中央から見たら未開の地とも呼べる場所です。
深圳(しんせん)市の歴史
そもそもは30年位前は、小さな小さな漁村でした。
大都市のかけらもないような街が変貌を遂げたのは当時の事実上の最高責任者、鄧小平の市場改革に伴い、経済特区に指定されたから。
当時の人口は上海の1000万人に対し、深圳(しんせん)市はわずか30万人。
それが今では1190万人に爆発的な人口増を達成したというのですから、その成長っぷりがいかに凄いかがわかります。
移民の多い深圳(しんせん)市
急激な人口増は、移民を受け入れる土壌が出来ていたから。
恐らく経済特区ということで、他県の人の移住にも寛容だったかと思います。
で、面白いことに深圳(しんせん)で使われる言葉は、ほぼほぼ標準語。近隣の香港で使われる広東語はあまり耳にしないとか。
これって日本の東京にも似たような感じがしてなりません。東京もある意味、他府県からの流入が多く、地元民はわずか。ので、言葉遣いも出身地の言葉では、話が通じない。ならば標準語を使おうということで、それが広く広まり東京の標準化を生んだと思います。
こうして人口増を達成した深圳(しんせん)でしたが、人を引きつける力はやはり商売がやりやすい街というのが一番だと思います。
ハード系の深圳(しんせん)、ソフト系のシリコンバレー?
深圳(しんせん)を語る上で、わかりやすいのがシリコンバレーの存在。
多くの起業家を集め、今ではITの聖地とも呼ばれるシリコンバレー。AppleやらAmazon、Googleなど世界的に有名な企業はここから生まれたと言ってもいいでしょう。
深圳(しんせん)の場合は、ソフト系というよりもハード系の起業に適した街と言えます。
ドローンのDJI、ファーウェイ、BYDがこの街から生まれたことを考えるとうなずけます。
怪しい部品から正規品まで
モノづくりに最適な街、深圳(しんせん)。ちょっとした部品を購入するにも、近くには秋葉原の数十倍もある部品屋さんが軒を連ねている。
ので、開発スピードも早い。iPadのまがい物が発表から30日後に発売されたのもこの街から。
さらには起業家とこれらの部品屋をつなぐ仲介ビジネスもさかんだし、起業家に資金援助するパトロンも充実しており、モノづくりにはうってつけ。
将来的にハードの深圳(しんせん)、ソフトのシリコンバレーと並び称される未来が訪れるかもしれません。
やってみなはれと精神の息づく深圳(しんせん)、また新たに中国の魅力を知った次第です。