優等生のGEがまさかの赤字計上

IOT米国企業

GEと言えば・・・

世界でも有数のビジョナリー・カンパニーとして知られるGE。昨今、頻繁に使われる選択と集中という言葉もGEの経営戦略が最初だと思われ、とにもかくにも模範的な会社というイメージ。

コングロマリット規模の会社が次々と経営不振に陥る中、時代の変化に併せて業態と変容させていく姿は、変化の激しい時代において、まさにお手本と言ってもいいでしょう。

保険

電力部門の不振が痛い・・・

2017年10月ー12月期に日本円にして約1兆円の赤字を計上しました。その金額によくもまぁ、会社は潰れずに済んだなと思いました。

その赤字の主因は保健事業と電力事業。保健事業の場合、医療費高騰などを受け、想定以上に加入者への支払いが増えたというもの。で、こちらの損失が今回の赤字の大半を占めています。が、こちらは一時的な支払い増という側面が強く、来期には赤字幅は減少していくのではないかと思います。

問題は電力事業の停滞。売上高は前期比15%減だったものの、利益については88%減という大幅減。メイン商材である発電用タービンがイマイチに売れ行きがよろしくないというのが主な原因。理由を探れば、再生可能エネルギーの普及や天然ガスの価格下落もあり、主要顧客の電力会社が火力発電所の効率向上を控えているとのこと。

となると、この先、再生可能エネルギーがさらに普及するとなると、GEの業績にとってはさらに厳しさを増すということになっていくでしょう。

一方で、風力発電機器などの再生可能エネルギー事業は進めているものの、火力発電事業を補うほどの規模にはなっていないのでしょう。

タービン

自慢の変化対応

製造業という側面の強いGEですが、昨今ではソフト分野でも影響力を高めているのはさよく知られているお話。

IOTの普及を目指し、産業用機器のネットワーク部門で、プレディクスというプラットフォームを武器に、デファクトスタンダードを取りに今、世界で火花をちらしています。

これによりハードからソフトへ。モノを売って終わりではなく、その後もサービスなどで収益を稼ぎ出すビジネスモデルの構築を進めています。

これも時代にマッチした事業を推進していくGEならではの変化対応の素晴らしさだと思います。

IOT

明日の飯の種やいかに

早晩、ハードで飯を食べていくのは行き詰まる時が来るでしょう。そのために、それにとって変わる事業を育てている最中だと思います。

そこに思いもよらぬ巨額損失を出したことで、改革のスピードを早めないとという声が出てきそうな感じがします。

もしくは電力事業を売却するといった思い切った策を講じるか、今後のGEの動向から目が離せません。

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