弱り目に祟り目。石油メジャーの受難。脱炭素社会へのプレッシャーが凄まじい

時価総額の常連だったけど・・・

エクソンモービル、シェルと言えば時価総額でTOP3に必ず入る全業界の中でも屈指の優良企業。何年にもわたりその座をキープしているのは、裏を返せば石油という資源がいかに生活に欠かせないというのがわかります。

環境保護の声が世界的に高まっている中でも、依然として時価総額ではTOP10には位置していたものの、昨今の脱炭素社会の取り組みが世界的に盛り上がっていることもあり、そろそろ年貢の収め時。潮目が変わった感じがします。

石油

小が大を飲む。物言う株主になすすべなし。エクソンモービル

2021年5月に開催されたエクソンモービルの株主総会で、取締役候補の内2名が株主提案によるものでした。

その株主とは物言う株主で有名なエンジンナンバーワンという投資会社。保有株はわずか0.02%。発言の力はさほどないですが、大物株主という援軍を受けて、この役員人事を通しました。

で、このエンジンナンバーワンの主張は、脱炭素社会への取り組み強化。これまでのエクソンモービルの経営は、脱炭素社会の声が高まる中、その対応に遅れが生じ会社に不利益を与えたというもの。

石油メジャーの中では、脱炭素社会に向けた取り組みは積極的だったのに、まだまだ不十分という評価。今後さらなる取組強化が行われていくことは間違いないでしょう。

これは何かの偶然。エクソンと同日にシェルもお灸を据えられる

このエクソンモービルの1件は、当然、石油メジャー全体にとっても大きな衝撃でしたが、同日に場所を変えてシェルにも同じような起きていたというのは偶然とも言えない感じがします。

シェルの場合は、環境保護団体との訴訟で敗訴。シェルは2030年に16年比で20%削減という目標を掲げましたが、これは手ぬるいと環境保護団体が一蹴。裁判沙汰となり、さらなる引き上げを要求するにいたり、19年比で45%減という厳しい目標設定を課せられました。

シェルもかなり高いハードルを課せられたことになり、さらに脱炭素社会に向けた取り組みを加速させていくことでしょう。

石油メジャーだけじゃない。上場企業にも厳しい目が向けられる

米投資会社のブラックロックは、21年1月に投資先の企業に対し脱炭素社会に向けた取り組み開示を求めました。取り組みが甘ければ取締役の再任に反対するなど厳しい姿勢を見せています。

さらに環境にやさしくない事業を展開する企業に対しては投資しないという厳しいルールを発表。これでさらにESG投資が盛り上がっていくことでしょう。

当然、石油メジャーは、このルールのターゲットになることは間違いなく、石油メジャーのさらなる脱炭素への取り組みを求めているとも言えます。

ガソリン関連ビジネスは今後大変かもよ

石油メジャーがここまで厳しい目にさらされているということは、関連ビジネスのガソリンスタンドも今後さらに厳しい経営判断を求められていくことでしょう

ENEOSは合成ゴム事業を買収すると発表し、出光は、全固体電池向けの事業化を盛り込むなど、脱石油の取り組みを進めています。

石油

こうして企業は、その時々に合わせて事業を入替えて経営を継続さえていくのでしょう。100年後には、ガソリンスタンドで石油が売られていたんだよと驚かれる日が来るのかもしれませんね。

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