個性を取るか、経営を取るか。EV化で進まなきゃいいけどコモディティ化。スバルの苦悩

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国内唯一のエンジン。水平対向ですよ。

スバルと言えば国内唯一の水平対向エンジンを搭載したクルマ。世界に目を転じれば、かのラグジュアリメーカーのポルシェだけ。

直列、V型などが一般的なエンジンが多い中、コストもバカにならないのに頑なに守り続けたスバル。そんな所に男気を感じたのか、それとも他とは違うよという優越感に浸りたいのか、スバルユーザーは他社に比べるとクルマ好きが多いとも言われていました。

が、世界的にEVの流れが加速する中で、この個性も失われてしまう恐れが出てきたのです。

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徒党を組んで、この難局を乗り越えるが正しい選択

そもそもスバルは流浪の民と言いましょうか、過去に経営危機に陥った時に日産と提携し、その後GM、今ではトヨタと提携先がコロコロと変わっていました。

規模が小さいだけに生き残りをかけるには、どこかのメーカーを手を組まなければなりませんでした。ところが、どの提携先もスバルブランドには口を挟むことはなく、水平対向エンジンは生きながらえてきました。

ところが、今回のEVはちょっと話は別。むしろスバル自身から水平対向エンジンの看板を下ろすという動きにでました。

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マーケットが成熟していないですし・・・

スバル社長いわく「マーケットが成熟していない中で単独のEV開発は経営的に危険。アライアンスが基本路線」とのこと。

確かに新車販売に占めるEV比率は国内で1%。スバルの主戦場でもある米国でも2%に留まる。そこに経営資源を投下するのはあまりにもリスクが高い。

仮に将来を見据えてなんて、かっこいいことを言った所で、体力が続かなければ意味がない。

社長の判断は現実を見据えたもので、至極当然と思うのです。

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スバル初のEV発表。トヨタと共同開発

日産には失礼ですが、2022年は日本のEV元年になるでしょう。満を持してあのトヨタがEV車を発表するのですから。

その名もトヨタ版はbZ4X、スバル版はソルテラというSUV。トヨタとスバルの共同開発車で、2012年発売された86以来の共同開発車。

既に共同開発の実績があることから、開発もさぞスムーズに言ったのではないでしょうか。

電動化やコネクテッド、EV周りはとトヨタが、AWDなどの駆動周りはスバルが担当したとか。

エンジンは水平対向じゃないと思いますが、スバルのお箱とも言えるAWD部分を担当できたということは少なからず爪痕は残せたのかなと。

アイサイト非搭載。ぶつからないクルマはどうなる?

ぶつからないクルマで、一気に自動ブレーキを世間一般に知らしめたスバル。基幹機能とも言えるアイサイトは当時からさらに進化を遂げ、ある意味スバルの顔にまで成長した感じがします。

ところがEVカーソルテラは非搭載。車両全体を制御する電子プラットフォームとアイサイトの通信系統のつなぎ込みが間に合わなかったとのこと。

てなわけで、トヨタ版アイサイトが搭載されることになりました。

アイサイト非搭載って、あの快適なクルーズコントロールが使えないんじゃ、片手落ちじゃんと思いましたが、一安心しました。

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個人的には水素エンジン

EVでは水平対向エンジンの看板はおろしたものの、トヨタの方針はEV、PHV、pcvという全方位型。これに水素エンジンも加わり、EVに頼らない脱炭素化を目指しています。

特に注目したいのが水素エンジン。ほぼ現在のエンジン部品を使えるということで、水平対向エンジンも、水素エンジンなら行けるのではと期待が膨らみます。

走りの愉しさと環境に配慮した真のスバルのクルマを将来的には乗ってみたいと思った次第です。

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