理屈抜きでいい今治タオル
思わず顔を埋めたくなるようなあの柔らかさ、優しい肌触り。何度洗っても落ちない吸水性。
どれを取っても一級品のクオリティというのが僕の中での今治タオルの評価。
吸水性が悪く何度拭いても水分を吸収してくれない粗悪なタオルを使っていると今治タオルの良さをあらためて実感します。
価格は少々高いものの、それに見合う価値を提供してくれるので納得がいきます。
ブランド化は成功
今治タオルとして、ブランド化されたのが2006年。かのクリエイティブディレクター、佐藤可士和氏を招いて、ブランド化を進めたのはあまりにも有名な話。
単なる話題性に終始せず、今治タオルとして名乗るには、それはそれは厳しい検査基準をクリアしなければならない。
その検査項目が数百に及ぶというのだから、あのロゴのタグをつけたタオルは、厳しい試験をクリアしたタオルとも言えます。
他にも小売店の店員向けにタオルソムリエという試験制度を立ち上げ、そのこだわりを伝える人材育成にも余念がありません。
語りたいネタはかなりあると思われ、捕まった客は相当な時間を拘束される覚悟をしておかないとダメでしょうね。
ライセンス商売に旨味はあるけど
そもそも、タオル製造で日本一だった今治市。数多くのタオル製造向上がありましたが、中国の粗悪品が幅を利かせと業績は右肩下がり。廃業する会社も表れ地域経済を脅かすほどになっていました。
それまでの商売はライセンス商売がメイン。欧州の有名ブランドのロゴをあしらったタオルがバカ売れしていました。利幅は薄かったものの数が捌けるということで、中の人曰く「楽な商売」と言われたほど。
てなわけで、自社で企画して商品開発する力を落ち込んでいき、中国品との競争では価格での勝負と負のスパイラルに入り込んでいきました。
そこで業界大手の藤高が音頭を取って、今治タオルのブランド化を推進していきました。
企業から発注増
今治ブランドが世に出てから、ほぼ10年の月日がたち、かなり世間的にも認知されてきました。
藤高の売上高も2012年をそこに右肩上がりに推移しています。
ブランドが認知されたことで、企業からの注文が殺到。オリジナルのタオルの仕事が増え、今ではこのお仕事がメイン。
贈答用で今治タオルを貰えれば、客もさぞ喜ぶと思います。
地方産業の成功モデルとして
日本各地には地域によって特色ある産業がいくつもあります。
地方創生という意味でも、この今治ブランドの成功は、他の産業にも十分転用できると思います。
観光と合わせて地域産業も盛り上がれば日本はもっと元気になると思います。