インダストリー4.0のメリット、少量多品種
日本版インダストリー4.0で触れた時は、日本のIoTはまだまだ先の話としていましたが、あれから時を待たずして実践している業界があります。
まずは製造業からと思いましたが、アパレル業界でその取り組みが進められているので紹介します。
等身大の着せ替え人形
インダストリー4.0に取り組んでいるのがブランドVISCOTECS(ビスコテックス)」を展開するセーレン。仕組みはこんな感じ。
店頭で自分に合ったワンピース選びというシチュエーション。モニター前に立ち、手元の柄をタップするたびに目の前の映像、つまり試着した自分の柄が変わっていく。
これでOKとなったら決定を押す。するとネット経由で製造現場に発注データが転送され、オペレーターの手で微修正が加えられ、今度は工場の端末へ転送される。
ここが凄い。転送されたデータは工場の染色機械に自動で送られ、空いている機械を自動で検知し、お客様が選んだ柄を出力
あとは人力で縫製が行われ納品。
ある意味、お客が工場を動かしているもの
こうして少量多品種を実現しているわけです。これにより染色した生地の在庫を持つ必要がないから会社の負担も軽減される。欲しい時に欲しい分だけの究極のジャストインタイムが完成します。
クルマ屋に転じて考えれば
オプションに革張りの内装を選択し、ボディカラーはマット調のブラック。手元のタブレットのボタンをポチッとすれば、工場の製造装置にその情報が流れ、アーム式ロボットがせせっと革張りの内装を持ち上げラインで流れてきた車体に装着。次の車体は標準だから、こちらの黒色の内装ね
といった具合に、アームロボットが送られたきた情報を元に、取り付けパーツを選んでいるようなものです。
一歩前に進めて考える。
この様子を逐一、ネット経由で見れたりするとたまりません。自分のオーダーした製品が製造工程の今、どこにいるのか、そしてどのように作られているのかが見えれば、手元に届いた時の感動もひとしお
インダストリー4.0って原点会回帰
少量多品種を実現するインダストリー4.0って、大量生産前の古きよき時代にに戻してくれる感じがします。フォードによる大量生産前は、お金持ちが自分のこだわりを持って、自分好みにパーツを選択して、オリジナルのクルマを仕立てていたというのを聞いたことがあります。
まさしく、この時代に戻る感じがしてなりません。