忍び寄る中国特需は過去の話

中国建機業界

マーケットが大きいだけに

遠い昔はやっすいコストを武器に世界の生産工場としての地位を得た中国。外貨をバンバン獲得したことで経済水準も上がり、今では日本を追い越して世界第二位の経済大国へと成長。

人口14億という巨大マーケットが登場したことで、様々な産業で中国市場の攻略が始まりました。クルマ業界、建機、産業ロボットなどなど。まだ技術レベルが未熟な分、日本製品は優位性があり、特需という恩恵を受けていたのですが・・・

中国

クルマの世界では当たり前だった産業育成

クルマ業界で言えば、中国市場への進出は中国国内企業との合弁が義務付けられています。

自国の産業を育成するという意味でのこの取り組みは一定の成果を挙げているようにも思えます。

今や電気自動車のマーケットでは、世界NO.1であり、これも合弁政策の成果の現れかと思います。

とは言え、この施策、将来的な事を考えると、外資にとっては素直に喜べる話でもなく、技術移転が進めば、はい、さよならということもなりかねないわけです。

その事象を予感させることが建機や産業用ロボットの世界で起きつつあります。

クルマ 紅

建機の世界ではキャッチアップされるかも

建機大手のコマツや日立建機の業績が振るわず、その原因は中国市場の落ち込み。

イマイチ景気がよろしくないのが要因かと思いきや、さにあらず

政府は景気刺激策として公共工事をバンバン発注しています。なのに、需要が伸びない。

これは工事内容が、これまでの大物から小物中心になったからとのこと。

大物工事で強みを持つコマツ、日立建機とってはこれは大誤算。んで、小物工事では中国国内建機メーカーが強いと言われています。

てなわけで、工事需要はあるけど、その恩恵は全て国内勢に流れているという残念な結果に終わっています。

建機

産業ロボットはもっと深刻

産業用ロボットでも中国の国産メーカーが力をつけたことで、じりじりと需要が落ち込んでいるとのこと。

これまでは技術的な優位性もあり、日本メーカーが強いマーケットでしたが、技術力を向上させた中国勢にその座を奪われつつあるのです。

そのため、ファナックなどの産業ロボットメーカーは次なる飯の種に奔走しなくてはならないという事態に。

ある意味、中国勢が日本の技術力向上にも寄与しているようにも見えますが・・・

ロボット

中国特需にはもう頼れないかも

こうして見ると、中国市場はオイシいマーケットから、美味しくないマーケットに変容しつつあることが伺えます。

これも国内メーカーが力を付けてきたことが大きく影響してます。

ので、そろそろ中国以外のアジア諸国に注力する日が近づいてきたと思った次第です。

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