画期的すぎるよ。出前専門サービス
今でこそデリバリーは当たり前ですが、その昔、デリバリーと言えばそば屋とピザ屋位。店内業務で忙しいのに、配達業務もこなすとなると、人のやりくりも大変。配達専任を雇うほど、お店を潤っていませんし。
そんな店側の不満とデリバリーの数が少ないという利用者の不満をうまく汲み取って生まれたのが、今のデリバリー専門サービスだと思うのです。
カフェ、和洋中メニュー、コンビニ、ファーストフードなどなどデリバリーの数は飛躍的に伸び、利用者は大いに満足。お店側としてもデリバリーをアウトソーシングできるのは大きなメリットになりました。
従来は外食屋のイチ業務であったデリバリー部分を切り出して、その部分だけのサービスを行う業態は当時としては、かなり画期的な発想に映りました。
普及が進んだのは良いけれど・・。
デリバリーサービスの最大手と言えば、ウーバーイーツと出前館。この2社のほぼ寡占状態かと思いますが、それでも続々と新興勢力が参入していることを考えると、まだまだ玉石混交といった感じなのでしょう。
各社、自社サービスを導入してもらおうと外食店に足繁く通い、契約成立となれば自社のアプリが入ったタブレットを店側に貸与します。
が、様々なデリバリーサービスを利用しているお店ともなると、この管理が大変。それぞれのタブレットを見て注文を確認するわけですが、この作業、調整などで人、一人を割くほどになることも。
業務負荷の軽減を狙い、デリバリーを外部に委託しているのに、これでは元の木阿弥状態。デリバリーサービスを1本化して閲覧できるシステムを検討するほど、外食屋さんにとって新たな問題が浮上しています。
これってQR決済に似ているような気がする
が、この1本化の検討もデリバリーサービスが自社の情報を外に開放しない(API)ものだから、断念せざるを得ない状況だとか。
デリバリーサービス会社としては、とにかく他社よりも一人でも多く利用者が増やすことに必死。デファクトスタンダードとなれば、これまでの苦労が報われる。てなわけで、おいそれと他社との連携はできないというわけです。
この話、QR決済にも似たような話がありましたね。登録件数で独走状態のPayPayが、汎用のQR決済読み取り装置への対応を拒否しました。というのも、PayPayが必死に利用店舗を開拓したのに、それに無料で他のQR会社が乗っかることができてしまうというもの。
このような事情を知り、確かにタダ乗りは許されないという思いに至るのは無理もないと思いました。
ならば自社開発。デリバリーシステム
てなわけで、増え続けるデリバリー業務の負荷を軽減しようと、自社開発のデリバリーシステムを構築する所も出てきました。
業務負荷の軽減という理由もありますが、この場合は、どちらかと言うと利用客の属性把握に重きを置いている点です。
現状では、デリバリーサービス会社が提供される情報は男女比の比率やエリア程度とごくわずか。仮にデリバリーを利用されたお客さんが来店しても、それに気づかずないことが起こり得る。
デリバリーをしてくれたお客を固定化するためにも、情報を多く取得しておいた方が、店舗運営にとってはプラスに働くというわけです。
配達だけに特化したサービスが今後増えるかも
今後は、このように自社でシステム開発する外食屋さんが増えるかもしれない。その時に配達だけを請け負うというサービスも出てくるかもしれませんね。
配達スタッフを自社でまかなうのは負担ですし、これまでデリバリーサービスに委託していたように、その部分だけは外部委託のままにしておきたいと。
となると、デリバリーの注文受け付けは自社で、配達は外部でと、さらに細分化されていくかもしれません。
今後の動向を注視していきたいと思います。