配達のみ担うゴーストスーパー
コロナ禍前にスーパーによる配達はどこも散々な結果で赤字状態がほぼ常態化。店舗から注文数をピックアップして配達するという仕組み事態に限界がありました。
そうした苦い経験を踏まえた考えられたのが配達にフォーカスした店舗運営。ある意味、物流センターと機能は一緒ですが、これをネットの王者Amazonが極秘に進めているということで話題になりました。
この形態を当時はゴーストスーパーと呼んでいましたが、外食産業にもコロナ禍により、配達に特化した形態が徐々に増えつつあり、ゴーストレストランとも呼ばれるようになりました。
新規出店費用が1/10
ゴーストレストラン大手のキッチンベース中目黒では、調理スペースが4つに、5つのレストランが同居。
提供するメニューは、中華、タコス、海鮮丼にニューヨーク風の屋台飯などバラエティに飛んだメニューをいち店舗で提供。
キッチンを提供する他にも、配達受付端末の設定、商品撮影、収益管理なども手厚いサービス付き。最短で1ヶ月でオープンできちゃうというもの。
通常ならば開業に1000万円近くかかる所、1/10の100万円できてしまうというのですから驚きです。
ある意味、コロナ被害者の受け皿か
このコロナ禍で大打撃を受けたのが飲食業界。店を畳んでしまたオーナーがどんだけ多かったことか。
再びお店を開くにもお金もかかるし、手間もかかる。けど再びお店を開きたいというニーズはあるはず。
そんな要望にうまく合致したとも言えるゴーストレストラン。初期コストが大幅にダウンしたことで、開業の敷居がグンと下がり、泣く泣く廃業を選択したオーナーのセカンドチャンスとして、良き受け皿になるかもしれません。
ゴーストレストランで好評であれば、実店舗への昇格も期待でき、今後の外食産業の開業モデルとして定着していくのではないでしょうか。
配達が定着するのは良いけれど・・・
コロナ禍ですっかり定着した感じがする飲食の配達。ウーバーイーツ、出前館も相当潤ったことでしょう。2強の他にも新規参入者も増え、飲食の配達は今まさに活況と言ってもいいでしょう。
配達が定着するのは新産業の普及という点で、喜ばしいことですが、その分競争が激しくなるのも玉にキズ。
特にカレ、揚げ物は配達にもってこいということもあり、かなり競争が激しいとか。
さらにゴーストレストランのオーナーを悩ますのは配達料。注文金額の30-40%に達し、メニューに料金を乗せないと厳しい。
結果、各メニューが高くついてしまう。僕も一度ウーバーイーツを覗いてみましたが、あまりの料金の高さに断念。自分でピックアップした方が安上がりだなと感じました。
ゴーストレストランの行く末
商売をする上でどうしても切っても来れない配達。配達サービスを提供する会社が増えたのだから、コストも下がるのでは思いきや、さほど変化は見られません。
従来の飲食店は、これまでネットサービスを利用して集客をしてきたものの、その手数料の高さから掲載を止め、自社サイトを立ち上げそこで商売するという方向に動きつつあります。
ゴーストレストランも行く行くは配達部隊を置くようになるのか、はたまたテイクアウトに力を入れていくのか、今後の成長が楽しみでなりません。