発電所のエネルギーの約4割はLNG
原子力発電所の稼働が厳しくなり、火力発電がメインになったものの、脱炭素の流れを受け石炭はペケ。
てなわけで、これまではサブキャラ扱いだったLNGが主役の座を張ることになりました。
現在のLNG発電が約4割、次いで石炭の3割。詰まる所、国内の7割は火力発電に頼っている状況です。
台頭する中国に危機感。交渉力が落ちるよん
日本では古くからLNGの輸入量が多く、ほぼ世界No.1。これもLNGを液化して輸送する革新的技術を持っていたからとも言われています。
輸入量が多ければ、買い手と価格交渉でも優位に進められるという利点がありました。
ところが、2000年以降、韓国、台湾、そして最大のライバル、中国もこのLNG輸入に参戦。
これらの諸外国、とりわけ中国の場合は、国内の電力需要が急激に増えたことが要因だそうです。2000年代の中国の経済成長を見れば、さもありなんといった感じがします。
これで困ったのが日本。これまではほぼほぼ無風状態であったのに、強力なライバルの出現が現れたことで、LNG輸入量の座を中国に奪われることに。
さらに泣きっ面に蜂というのはまさにこのことで、価格交渉に不利な情報が出回ってしまったのです。
日本は将来的にLNG需要は減少だってよ。
2030年のLNG需要予測が2021年よりも情報が公に発表されることになり、中の人は騒然。
今現在でも中国に首位の座を奪われ、現状でも交渉が難航し、高値をつかまされているっていうのに、将来的に需要減なんてことを相手方知ったら、さらに厳しい条件をつきつけてくるに違いない。
てなわけで、予想していた通り発表後の交渉は芳しく無く、カタールとの間では契約延長なしをつきつけられてしまう始末。
恐らく、日本にとってかわって中国や韓国がその座に収まったのではないかとも言われています
ウクライナ危機でさらに状況は厳しく
そんな厳しい状況で、さらに追い打ちをかけたのがウクライナ危機。これまでは競合でもなかった欧州勢も、ロシアからの輸入をストップしたことで、輸入国の対象を全世界に拡大。
さらにロシアとの共同事業でもあるサハリン2の行方も怪しくなっており、この頼み綱を切られてしますと、ほぼ100%、エネルギーを輸入に頼る日本にとってはかなり厳しい。
一過性的な電気代値上げも、常態化してしまうのではと懸念されてしまいます。
とにもかくにも日本勢には頑張って欲しいと思った次第です。