電力自由化になったけど・・・
2016年春から電力自由化となり、第三のプレーヤーが続々と参入。既存の地域独占電力会社の風穴をあけるかと期待はしたものの、風穴をあけるどころか、微風といった感じ。
シェアを見れば10%弱。惨敗といった結果。
恐らく電力会社を切り替えるのは新聞を読売から朝日に変えるような簡単なものではない。それが消費者の二の足を踏ませる結果になったのでしょう。
それと価格差がさほどないということも。変える手間を考えると、多少高くても今のままでいいじゃんということになる。
新規参入組も苦しいのは確か。自社で発電システムを持っていても、送電は既存の電力会社から買わないといけないわけですし、コストを切り詰めるにも限界というものがあります。
東電の覚醒したかも
一般家庭で電力自由化になる前から法人向けの大口顧客は既に自由化が進んでいました。
地域電力会社も見て見ぬフリをしていたのか、さほど力を入れず新規参入組のやりたい放題にまかせていましたが、ここに来て東電がこの大口顧客も取りに行くということとなり、業界は騒然としています。
大口顧客向けをおさらい
大口顧客とはオフィスであったり、工場であったり、とにかく電力の消費量が多い。
これらの電力は特別高圧、高圧と呼ばれ、一般家庭のそれは低圧と呼ばれています。
東京の新規参入組のシェアは約20%弱。一般家庭のそれに比べると倍近いシェアを握っていましたが、東電が参入したことでジリジリとシェアを落としています。
越境も辞さない東電
関東圏だけならまだしも、東電は自社管轄外にも手を伸ばし、大口顧客の獲得に乗り出しています。
コストの安い水力発電所、石炭発電所を持っているので価格競争力は申し分なし。
一方の新規参入組はコストが高めの火力発電が中心。となれば勝負は決まったようなものでしょう。
ガスにも手をのばす東電
この東電の膨張っぷりは、他エリアの振興に留まらず、他のエネルギーにも及んでいるというのですからかなり本気であることが伺えます。
都市ガスが2017年春には自由化されるので、ガスと電力のセット売りなんぞは容易に想像ができます。
小売専門の会社を立ち上げるなど、今までにはない東電の動き。
ここまで本気にさせたのも原発事故による途方もない賠償金のため。
東電が頑張れば頑張るほど、光熱費が安くなるのはありがたい。
一般家庭向けにも格安プランを出していただけると個人的には嬉しいのですが・・・