地銀再生の旗振り役が本気モード
経営不振にあえぐ地銀の救世主として期待されていたSBIホールディングス。この動きを受けてか、地銀界隈でも盟主はウチだとばかりに合従連衡が活発化。SBIホールディングスが投じた地銀提携策は、ある意味、地銀活性化という点では良い方向に向かっています。
が、SBIの真の狙いはそこではないかもという特大のニュースがありました。それがSBIによる新生銀のTOB。これが意味する所は、第4のメガバンクを狙い。
機が熟したのか、それとも計画通りに進まない焦りからなのか、とにかくこのニュースは銀行再編に一石を投じたと言ってもいいでしょう。
標的となった新生銀行とSBIの関係
そもそもSBIと新生銀行の関係は良好で、地方創生パートナーズという地銀支援を目的とした会社を共同出資するほどの仲。
ところが、新生銀があろうことか、SBIのライバルとも言えるマネックス証券と手を組んだことで両者の関係がぎくしゃくしちゃったのでしょう。
恐らく新生銀はSBIからは資本提携や業務提携を幾度となく提案されていました。まぁ、そこまでヤンヤンヤンヤと言うのならばマネックスとの提携に走ったのでしょう。
とは言え、一向に業績上向く気配が見られない。てなわけで実力行使ということでTOBに至ったとのことですが、個人的にはマネックスと提携して、ウチと提携しないとは何事と激おこプンプン丸が発動したのでしょう。
他にも理由があるんです。SBIの深謀遠慮
現在、SBIは地銀8社と業務提携を結んでいますが、第4のメガバンクになるには資産規模が心もとなない。ここに新生銀行を加えることで、メガバンクに匹敵する資産規模になるとか。
加えて、新生銀行の前身である日本長期信用銀行でストラクチャード・ファイナンスを持っているというのもSBIにとっては大きんな魅力に映ったようです。
ここまでは、ご最もな理由ばかりですが、金融庁に対する点数稼ぎの側面もあるとのこと。
子会社の失敗を挽回する好機
SBIグループのレンディング子会社がずさんな業務実態により金融庁から業務停止命令を受けました。この失策を挽回すべく、新生銀のTOBに走ったとも言われています。
というのも、新生銀は旧長銀時代に公的資金を注入して誕生した銀行ですが、当時の借金を未だ返せていない状況。これを提携によって返済できるタイミングを早めようというもの。
SBIは整理回収機構、預金保険機構と公的資金返済に向けて協議をすると発表しました。
てなわけで、ある意味、金融庁さえも味方につけた感じがするSBI。包囲網が徐々に出来上がり苦しい立場の新生銀。
この先、どのような展開を迎えるのか注視していきたいと思います。