今なお残るブルーシート
千葉県を襲った台風15号。その後もいくつかどでかい台風が続きましたが、台風直後はいつも通る道が陥没して片側通行になったり、大きな看板が倒れていたり・・・。
テレビなどでも話題になった屋根の損壊などは至るところで目にし、ブルーシートで補修しているお家が多いことに驚かされました。
あれから数ヶ月経ちましたが、道路の補修は終わったものの一般住宅の補修はまだまだ
急な出費でどこもしばらくは我慢しているかと思いきや、理由は修理屋さん不足というというのですから・・・
ここにも人手不足の余波が影響しているのかとあらためて実感しました。
理由は人手不足
屋根の修理に従事するいわゆる建設技能労働者の数は、ピークだった1997年の455万人から、2016年には326万人まで減少。
加えて高齢化をかなり深刻で、55歳以上が約3割を占めている状況。
若者にとっては魅力的な仕事に映らないのでしょう、20代が1割というのがそれを如実にあらわしています。
このような状況になると人手不足が起きるのも無理はありません。
公共事業の激減で従事労働者減
景気対策の一環として、伝家の宝刀とも言える公共事業投資
規模が大きいだけに景気対策にはもってこい。
選挙対策に使われることもしばしば。
地元を潤わすにはてっとり早い。
ところが、税金の無駄遣いだなんて世論の声に押されて、公共事業費は削減の一途をたどり、結果的に建設業界は厳しい冬の時代を迎え、お店を畳まざるを得ない状況に陥っていったのです。
斜陽産業ともなれば、若者が手を挙げて率先して建設業を選択するはずもなく、今の状況を生んだとも言えますね。
受注生産が仇となる
生き残った会社も、それはそれで大変で従来の商売では通用しないこともあり、例えば建材メーカーでは、在庫は持たずに受注生産に近いかたちを取るなど、川上でも変化が起きています。
大量在庫を持って注文が入ったら即納品という商売も昔の話といった状況なのです。
建設需要は旺盛なのに・・・
建設投資は公共、民間も旺盛のようで、遅ればせながら建設業界にも春がやってきました。
が、需要増だからといって、おいそれと人を増やすこともできず、苦しんでいるのが建設業界の実情でしょう。
2020年も2019年レベルの台風が来ないとも限らない。
近年、自然災害が常態化している中で、災害復旧という面で建設業界に対する期待も高まっている感じがします。
ブルーシートのお家が少しでも減ることを切に願います。