半導体不足の影で素材となるシリコンウエハーが逼迫。命運を左右する日本企業

半導体IT業界

半導体づくりに不可欠な素材、シリコンウエハー

ここ最近、新聞などでも大きく報じられている半導体不足。コロナ禍化による在宅勤務増によりPCがバカ売れ。半導体メーカーはここぞとばかりにPC向けに力を入れた結果、自動車向け半導体が逼迫。完成車メーカーでは生産ラインの稼働率を調整するなど、クルマの販売にも悪影響を与えています。

そんな中、新たな問題が浮上。現在の半導体不足に追い打ちをかけるかのごとく、その素材となるシリコウエハーが逼迫状況にあるとのこと。

2020年初頭の在庫は約1.6ヶ月分でしたが、直近では約1.3ヶ月分に減少。数字だけ見るとわずかですが、CPUや機器制御に使うロジック半導体向けでは、既に需要に追いつかない状況になっています。

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シリコンウエハー逼迫。2年後がかなりヤバいことに

シリコンウエハーメーカーが、設備増強をせずに現状の設備のままでいくとなると、2023年には月当たりの需要予測750万枚に対し1-2割ほど足りなくなるとのこと。

2021年度中に、設備増強の判断をくださないと、2023年までに工場建設は間に合わず、シリコンウエハーメーカーにとっては重要な決断を迫られているわけですが、周囲の焦りをよそにシリコンウエハーメーカーは落ち着いた感じ。

とは言え、そう簡単に設備増強できない事情も

シリコンウエハーメーカーの人いわく、「値上げが通る見込みがなければ工場は新設しない」とのこと。

というのも、過去にも似たような経験をしており、半導体需要が盛り上がった際に工場を新設したものの、リーマンショックにより設備が過剰となり大幅な赤字を被りました。

ので、設備増強には慎重にならざるを得ない。しかもシリコンウエハーの現在価格では工場を新設しても赤字になるだけ。

現在の価格が50-60%上がらないと損益分岐点を超えないというのですから、どんだけ買い叩かれていたのかと驚かざるを得ません。

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ほぼ日本企業の寡占化状態。強気の姿勢もうなづける

半導体メーカーにとっては、この価格を飲めるのか。50-60%アップともなれば、現状よりも1.5倍。半導体が逼迫していることを考えると飲まざるを得ないでしょう。

取引先を変えるにしても、その高い技術力を持っているのは限られており、そう簡単に替えがきくものでもない。

その会社が日本企業の信越化学工業とSUMCOというのですから、日本人として誇らしく思います。

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この先も続いてくのか。半導体不足

今回の降って湧いたような半導体の素材不足。今回の話に触れ、素材メーカーが今後の半導体不足を解消するキープレーヤーになること間違いないでしょう。価格の適正化が叶うのか、今後の動向を注視していきたいと思います。

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