一回ぽっきりでは寂しすぎ
旺盛な消費意欲で日本経済の救世主ともなったインバウンド需要。
特に百貨店においてはその恩恵は計り知れないものでしょう。
これをきっかけに免税カウンターができたり、専用のスタッフを配置したり、店頭には英語、中国語、韓国語で表示されたPOPは当たり前のようになってきました。
ひと頃に比べると、インバウンド需要も落ち着いた感はありますが、せっかくの捉えたVIP客との関係を1回っきりで手放すのはもったいない。
てなわけで、継続して購入してもらう仕組みをつくり成功している例を紹介したいと思います。
高級化粧品のリピート化成功
リピートとなると主に消耗品が強く、中でも高級化粧品はリピート化に成功していると言えるでしょう。
その仕組はと言えば、本国で店舗や越境ECサイトを活用した販売が主流。輸出額を見れば一目瞭然。2018年の化粧品の輸出額は6年前の4倍に達するとのこと。
各社高級化粧品で大成功
コーセーの高級ブランドコスメデコルテは国内外で2019年3月期の売上高は前の期に比べ5割。
資生堂も高級ブランドを優先的に販売を打ち出しているほど。
最大手花王もいよいよ本腰
このように国内の化粧品業界がインバウンド需要のりピート化で成功を収めていることから、花王もこの高級品ブランド戦略に参入を表明。
子会社のKaneboを通じて、高級品ブランドSENSAIの国内で販売することに。
この商品、日本では馴染みの薄い商品。それもそのはず。長きにあたり欧州を中心に販売されていた商品で競合ひしくめく化粧品業界にあって、ロングセラー商品となり実績も申し分なし。
インバウンド需要を見込んで日本でも販売を行い、購入後は越境ECサイトや自社店舗網を活用してリピート化を推進していくのでしょう。
他にもあるでしょ。リピート化
このようにインバウンド需要を自国に帰った後にも、継続して取り込んでいく仕組みは他の商材でも十分考えられるかなと。
美容健康食品の類はECサイトとの親和性も高くリピート化もスムーズに進むことでしょう。
食材なんかも行けるかなと。観光の時に訪れた先であるレストランのメニューでいたく感動して、お国帰っても食べたいと。であれば、レトルト食品を開発することも考えられます。
一時的なもの、一回ぽっきりと決めつけていたインバウンド需要が足の長い需要に変わるとは改めて勉強になった次第です。
2020年にオリンピックを控え、再びインバウンド需要が盛り上がり日本経済を盛り上げてくれれば何よりです。