拡大路線一旦休止
フィットネス業界に革命をもたらしたとも言っても過言ではないRIZAP。その勢いに乗じて、本業とは畑違いの企業を次々と買収し、拡大路線を突っ走っていましたが、イマイチ業績は上がらない。むしろ足を引っ張る状態となり、M&Aをしばらく凍結することになりました。
新聞などでも大きく報じられ、株価もだだだだ滑り状態。市場からの評価は厳しいものとなりました。
経営のプロ同士の対立
とは言え、そこに至るまでにはかなりのすったもんだがあったようで、M&A凍結を主張する元カルビー会長と幹部との間で激しい対立があったようです。
元カルビー会長は9年間で売上高を2倍近くまで伸ばしたということで、よく経済誌なんかにも取り上げられるほど言わばプロ経営者。
一方の幹部もこれまた負けていない人材揃い。ユニクロ、ダイソー、ソフトバンクグループで一定の成果を上げてきた人たちがゴロゴロ。成長を見届けてきたというこちらもある意味、経営のプロ中のプロと言えます。
結果的に、元カルビー会長の主張を受け入れるカタチにはなりましたが、火種は残す結果となり、今後のRIZAPの行く末が心配でなりません。
ある意味自転車操業M&A
RIZAPのこれまでの買収は買収価格が純資産(総資産から負債を差し引いたもの)を下回る企業が多い。
これは国際会計基準では営業利益に計上され、その利益は2017年の決算では約60%に達するようです。
会計のことは詳しくわかりませんが、純資産よりも割安で購入すると、その差額は利益として計上される。これを繰り返していけば、見た目には毎年一定の利益を上げられることになります。
とは言え、買収後と言えば、どの企業も赤字に沈み、それまでは新規に買収した企業の差分利益で相殺はしていたものの、それが立ち行かなくなってきたことを意味しています。
売却もありえるかもよ
買収した企業はと言えば、雑貨、衣類、雑誌、ゲームなどなど本業のフィットネス事業とシナジー効果を見込める企業はあるものの、中にはこれはどうなの?といものも
元カルビー会長いわく、経費計上の仕方や在庫評価などで厳密に事業の将来性を精査して、売却も視野に再編の必要性を説いています。
M&A凍結を発表したことで、今後は買収企業の精査が始まっていくことでしょう。
M&A拡大で、資金調達も順調に行われていました、その飯のタネを奪われ、再編となるとかなり厳しい感じがしますが、ここを乗り越えたら、すんごいことになるんでしょうね。今後の動向が楽しみでなりません。