マイクロバスで店舗視察
本部の人間が◯月◯日に来るので、良きように取り繕うなんてことは、現場ではよくある話。その時だけ良く見せて視察が終われば、また元通り。
現場につけば、本部からの指示どおり、商品は陳列され、POP類も使用されている。掃除も行き届いている。一夜漬けにしては相当頑張った後が見受けられる。視察する側としては、そんな事はお見通し。ある意味、ルーチン化しているこの一大行事を、徹底的に行っているのが、かのメガネスーパー。その取組のて徹底度が半端ないことに驚かされました。
社長自ら出陣
視察するのは何と社長自ら。加えて、本社のおエライさんやら、各部署のスタッフも同行し、その規模はゆうに10名以上は越えるでしょう。
マイクロバスを借り切って、店舗にのりつけ、視察ならまだしもダメな所は、その視察チームが手直しするという徹底振り。商品陳列、ポスターの張替え。店内のレイアウト変更もあるんでしょうね。
しかも、周辺地域、あるいは店舗前でビラ配りまでしてくれるという大サービス付。そのチラシ配りも社長自らが自転車に乗って回るというのですから、社員にとっては相当なプレッシャ。僕もやらなければという気持ちが自然と芽生えることでしょう。
この視察団を率いるのが社長自らで、1日に4店舗ほど周り、それが定番化されて行われているとのこと。最近行った視察が4回目というのですから、この活動もかなり徹底していることでしょう。
現場視察の理由
そもそも、この視察の狙いは現場力の向上。それまでのメガネスーパーの社風は、トップダウンで現場での創意工夫、考える力に欠如していました。んなこんなで、JINSなどの台頭もあり、業績は低迷の一途を辿り、創業家は投資会社にメガネスーパーを売却。んで、いくつもの会社で立て直しの成功を収める現社長に白羽の矢が立ち、就任となったわけです。
リストラ、不採算店舗の閉鎖など赤字の根源を絶つことには一定の目処は立ったものの、その先の成長はどうするかと。社員が自ら行動に映し、会社をよくしていこうという意識が高まらないとどうにもならん。ということで、この視察が始まりました。
社長自ら現場のスタッフに質問攻めをして、とにかく自ら考えて、答えを出すという訓練を徹底させていくという取り組みを推進。
この活動が直接的に影響しているかは定かではなりませんが、2期連続で黒字を達成。
色々と示唆に富んだ事例と感じました。