不採算事業は早々に撤退
世の常とでも言いましょうか、ビジネスの掟とでも言いましょうか、赤字を垂れ流すような事業部は早々に撤退もしくは売却というのがビジネスの世界。厳しいようですが、それが現実
で、今回のお話は、一度は撤退したものの再チャレンジする男前な決断に出たユニクロのお話です。
知らなかったユニクロの靴事業
衣料品のみの取扱と思っていましたが、その昔、ひっそりと靴事業を展開していたユニクロ。
ひっそりという表現はそんなに世間では話題にならなかたからですが、遡ること今から10年前の話になります。
2005年に靴屋を買収して、ジーユーの元で靴事業が立ち上がり、2009年に「ユニクロシューズ」として大型店やオンラインサービスで販売するまでに拡大していきました。
残念ながらあえなく撤退
が、2011年不振続きであえなく撤退。詳細はわかりませんが、事業を立ち上げて6年間はイマイチ結果を出せなかったのでしょう。
恐らく2009年の拡大路線が分岐点だったのかなと。
それまで販売が伸び悩んでいたのを販路拡大、ブランド化してテコ入れしたものの、不発に終わり、大きな赤字を背負う羽目になったと予想されます。事実はどうかわかりませんけど・・・
そもそも靴は在庫管理が大変
衣料と異なり、箱詰めにされた靴はスペースを取るのが難点。サイズ違いも洋服と違って、半端なくありますし、加えて箱詰めというのがスペースを取る
バックヤードがそこそこのキャパがないと小さな店舗では取り扱うことが難しい。結果、取扱店舗は大型店に限られてしまうという悩ましさがつきまとう訳です。
ボトルネックを解消
この課題を解決したのが、ユニクロの最新の物流システム。全店に1日1度、商品が納められる物流網を構築。必要な時だけ必要な量を納める、まさにトヨタのジャストイン・タイムを店舗で実現したわけです。
これにより店舗では多くの在庫を持つ必要がなくなります。靴だって、翌日の発注量を見越して必要な数量だけ仕入れればバックヤードが靴だらけということもなくなります。結果、全店で取扱も可能となったわけです。
デザインも流行から定番へ
在庫管理というボトルネックを解消し、次に改善したのがデザイン。2011年の反省を活かし、流行よりも定番系のデザインとし、洋服とのコーディネイトを意識した商品に変更。
以前のパンプス、ビジネスシューズというラインナップからスニーカーに変更。
全身ユニクロというニーズに応えるという狙いもあるそうです。
まとめ
不採算事業でも、再びチャンレジする貪欲さは学ぶべき点が多い。切捨てたら、「はい」終わりではなく、失敗の原因を追求し、改善して再び土俵に上る。
撤退したあのプロジェクトも、失敗の原因を追求し、改善策が出すことができれば、復活するのでは?と淡い夢を抱かせるような事例でした。