今さら100円ショップ?の意識変化に戸惑い

100円ショップ流通業界

内需型産業につらい円安傾向

1ドル125円突破、株価2万円超えと景気のいい言葉が飛び交うものの、自分の回りではそんな実感はゼロ。益々厳しさを増すといった感じです。

内需型産業と言えば、それまでですが、デフレ時代の勝ち組みと称されていた100円ショップもそのひとつ。かなり厳しい状況にあるみたいです。

既存店売上高減少

100円ショップ業界2位のセリア。2015年3月期の利益見通しを前期に対し微減の101億円に引き下げ、営業減益に転じれば2009年3月期以来となる模様。

実際、2014年11月の既存店売上高が、前年同期比で1年7ヶ月振りに減少。その後も2015年の4月の6ヶ月間のつい、4ヶ月で前年割れとなっているそうです。

ちょうど株価がグングンと上昇した時期と重ねるだけに為替が影響しているのでは?と思います。

最高益の7割の水準、キャンドゥ

業界3位のキャンドゥも同じように苦戦しているよづえ、2011年11月期に最高益を更新しましたが、2015年の見通しは約4年前の7割の水準だそうです。

業界4位のワッツも2013年8月期の9割弱と、100円ショップ大手企業が軒並みに苦戦を強いられているのが浮き彫りとなっています。

コスト増も利益を圧迫する要因か

そもそも100円ショップは、中国などで大量に生産して一括仕入れすることでコストを抑えてきました。

が、中国の人民元に対しても円安傾向となり、コストも上昇。1人民元あたり12円程度だったのが、2014年末には19円台まで円安が進行。

約1.5倍のコスト高なら、利益が伸び悩むのも無理はない話しですが、他にも苦戦する理由があるようで・・・

消費者の意識変化

円安、株価上昇で景気上向き。けど、収入は全く上がらず生活水準もデフレ時代とさして変わらない。なのに景気いいぞと半ばマインドコントロールでもされているのでしょうか、「今さら100円ショップでは買い物する気が起きない」という消費者の意識変化が起きているようです。

デフレで我慢を強いられていた分、その反動で値段よりも質を重視する傾向が高まっている感じがします。

円安局面の打開

業界3位のキャンドゥは、100円ショップというビジネスモデルの転換を模索し始めたようで、価格帯300円前後の商品を中心とした新業態の店舗をパルコに出店。

この取り組みに他社も追随、または偶然にも同じことを考えていたのか定かではありませんが、価格帯を上げる取り組みを進めています。

まとめ

長く続いたデフレ疲れというのでしょうか、節約、節約で我慢を強いられた暗黒の時代から、多少なりとも将来に向けての光が見えたのか、それともちょっと贅沢してみたいという気持ちが芽生えたのか、それがPBヒット、ニトリの中価格帯店舗に見られる質重視の消費傾向に表われたのでは?と勝手に思う次第です。

価格と質は表裏一体ということに気づいてくれる人が増えることは非常にいいこと。この傾向がどんどん波及していくことを切に願います。

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