後を絶たないオレオレ詐欺
数年前から新聞、テレビで報道されるようになったオレオレ詐欺。最初は息子や娘を騙って、親を騙すという手口が多かったですが、今では警察が出てきたり、弁護士、銀行の担当などなど益々巧妙になってきました。
日本特有の詐欺事件かと想いきや、お隣の韓国でも同じようなオレオレ詐欺が横行し、被害額は日本の数十倍。
本作品は、オレオレ詐欺を題材にしていますが、これが現実の世界で行われていたとしたら、見破れないかもと思いました。
通話ジャックされたら手も足も出ない
その手口とは、携帯の通話を完全にジャックしてしまうというもの。例えば弁護士を語る怪しい電話があったとします。
この場合、一旦通話を切って、警察に相談。が、この警察に電話したのに通話が乗っ取られているものだから、何故か詐欺集団に繋がる。
ナンバーディスプレイには警察なのに、繋がっている先は全く違う電話番号。これでは信じてしまうのも無理はありません。
見事なまでの連携プレイ
そして、ここからが詐欺集団の本領発揮。3-4人のチームを組んでいる彼ら。弁護士担当の眼の前には、警察を語る仲間が、神妙なトーンで今後の流れを説明。次いで銀行マンを語るスタッフが、暗証番号を聞き出し、ものの10分位で詐欺完了。
これは怪しいと気づいた時には、自分の口座はもぬけの殻状態。
というのも、完了と同時に引き落とし部隊がバイクにまたがり、次々と口座のお金をひきだしてしまうからです。
数百億円を稼げる台本
この電話をかける部隊も、しっかりとシナリオに沿った想定問答集で対応するので、しどろもどろになることはまずない。
で、このシナリオを作る企画部という部署まであって、台本に良し悪しで詐欺による収入も大きく変わるというのですから、恐ろしい世界です。
大学受験生を狙った台本は、予想通りの成功率で、人の弱みにうまく付け込み、開始から数十分でとんでもない成功率を叩き出し、オペレータースタッフは歓喜の声に包まれます。
やっていることは犯罪なのに、はたから見ると真っ当な会社が目標を達成して大喜びしている姿にも見えてしまうのですから怖いものです。
続編に期待。
本作では韓国を部隊に後ろで幕を引く中国の詐欺集団が描かれていましたが、この手のオレオレ詐欺は全世界で行われているようで、この先も続編が期待できそうです。
今度は、どんな手口で人を騙すのか、映画の世界だからと安心するのではなく、現実にもありえる話として、詐欺にかからない日々注意していこうと思った次第です。