熾烈な制空権争い
ほぼ欧州全土を占領し、最も勢いのあった頃のドイツと対峙することとなった米国。
海で囲まれているという地の理を生かして陸からの攻め込まれるということはない。唯一攻めてくると言えば空。
戦時中はナチスの激しい空襲にあったとは言うけれど、完全に制空権を奪われたわけではなく、イギリスも善戦していたことが、この作品を見て知りました。
国を変えてナチスに挑む
作品中に描かれていた航空部隊303戦闘機部隊
隊員はほぼ全てポーランド人
ナチスに住む場所を占領され、命からがらイギリスに辿りついたのでしょう。
イギリスも同じ敵を持つということから、彼らを英国空軍に組み入れます。
とは言え、英国人と平等な目で見るということはせず、彼らには先発部隊を任せます。
彼らに働いてもらい、相手が疲弊したところで温存していた英国軍を繰り出すというもの。
そんな事情を知っていても、特に不平不満を口に出すことなくナチスに闘いを挑みます。
多勢に無勢とは言うけれど
ナチスの戦闘機部隊は300、600ととてつもない数。一方の英国軍はその半分以下。空いっぱいに広がるナチスの戦闘機を見たらすくみあがって引き返したくなるもの。
多勢に無勢とはまさにこの事。
が、選ばれし腕利き揃いの303は逆に、そんな状況を楽しんでいるかのごとくバタバタとナチスの戦闘機を撃ち落としていきます。
その姿は、あのドムを数分で次々と倒していったアムロを見ているようで、部隊全員がアムロ級の腕前だったら、数では勝ったとしてもナチスは勝てないだろうなと思いましたよ。
彼女の家から出勤の緩さ
303部隊の戦闘員はゴリゴリの軍人ではなく、ナチスとの闘いをまるで日常業務として淡々とこなしているというのが新鮮に映りました
仕事が終わる頃の夕方には飛行場に戻り、みんなでバーに行きナンパしてみたり、踊ってみたり自由奔放。
明日の闘いで死ぬかもしれないという不安など一切見せないハートの強さ
ある日の戦闘では彼女の家に泊まり、戦闘に遅刻してくる始末。自転車で飛行場に向かう仕草に戦争感が全くしないなと感じました。
祖国を思う気持ちは人一倍
こんなオチャラケ集団ですが、次々とナチスの航空部隊を撃破し、新聞でも報道されるようになり、英雄視されていきます。
英国陛下からの訪問を受けた際、皆、ポーランド人ということを強く主張していた所に祖国を思いながら戦っているだなと感じました。
こうして彼らの働きもあってか、ナチスに制空権を取られことなく多くの市民の命を守ったということで、303は今なお英雄視されているのです。