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映画批評

世界最大の英語辞典、オークスフォード英語辞典誕生までにこんな苦労があったとは。「博士と狂人」

辞書編纂作業は途方もなく大変な作業。それをこの人数で?

辞書編纂に関する作品はこれまでも見てきたことはあるけれど、編集者の数が圧倒的に少ない。しかも世界最大と呼ばれるオックスフォード英語辞典の制作だって言うのに・・・。

博士と狂人

この誰もが避けたがる大仕事を請け負ったのがメル・ギブソン演じるマレー博士。この仕事に携わるのは自分の使命とばかりに、子供もいるのに今の暮らしを捨ててまで、この一大事業の責任者として手を挙げます。

博士と狂人

これまでも辞書編纂作業は行われていましたが、長続きすることなく毎回頓挫する始末。大学側も中の人では限界に思ったのか、全くの外部のマレー博士に、辞書編纂を任せることとします。

最初は数年で完成と豪語していたマレー博士でしたが、完成したのが70年後というのですから、想像もつかないほどの作業内量だったのでしょう。

まさかの助っ人現わる。マイナー博士

韓国の辞典編纂作品でも同じように、編集者だけでは限界があるため、市民も巻き込んで言葉集めを進めていきます。

内容は、その言葉が使われている文言を数多の本の中から抽出して送ってくださいというもの。

言葉にも歴史があって、時代に合わせて変容していくもの。その意味の変遷を辞書に盛り込むことで、初めて辞書として成立するでしょうと。

ある単語では17-18世紀の引用文がごっそりない。その前後はあるのにどうしようといった類の壁に何度もぶつかってしまいます。

その壁もぶち破ってくれたのが精神病棟にほぼ監禁状態のマイナー博士だったのです。

博士と狂人

殺人を犯して出口の見えない日々

精神障害を抱えるマイナー博士は、幻覚症状を起こして、ある男性を殺してしまいます。精神的問題を抱えていたということで無罪とはなりましたが、精神的なダメージは相当なもの。

我に帰った時に、自分の犯した罪の深さに反省する日々を送ります。加えて精神障害の病院に強制入院させられ、生きる意味さえ感じないつらい日々を送ります。

そのような時に生きる意味を与えてくれたのが辞書編纂。世界最大の辞書編纂に参加している喜びは彼に再び生きる勇気を与えてくれます。

彼の膨大な引用分資料は、スタック中の辞書編纂チームを大きく前進させるものとなったのです。

博士と狂人

若かりし頃のチャーチル登場にビックリ

こうして辞書編纂も順調に進むかと思いきや、マイナー博士はある事件をきっかけにさらに精神障害を悪化させ、辞書編纂のお手伝いはおしまい。命さえ脅かされるほどの廃人と化してしまったのです。

そんな彼を助けるべく動いたのがマレー博士でした。一生を牢獄のよう精神病院に閉じ込めておくのはよくないと国に働きかけます。

しかもチャーチルに直談判。

彼の切実な御願いがチャーチルの心を揺さぶったのか、マイナー博士は無事、精神行頭から抜け出すことができたのです。数多くの作品でチャーチルを見てきましたが、気が強くて猪突猛進型の人にもみえましたが、こんな思慮深い一面があるのかと驚きました。

目を見張る大英帝国の文明水準

本作品の時代は1900年のちょっと前。日本で言えば明治時代の頃でしょうか。

なのに、イギリスの文明はといえば、立派なコンクリートの建物、今と変わらない内装。ベットに窓ガラスもある。

校正刷りのくだりがあるように、印刷技術も発達し、ハードカバーの本も数多く見られました。

博士と狂人

そんな文明の高さも本作の見所と言ってもいいでしょう。

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