ホラー映画と種類の違う怖さがたまらない。「黒の家」

コメディ映画と思いきや・・・

監督が、あのそろばんずくの森田芳光監督、主演が西村雅彦ですから、ハチャメチャなコメディ映画と思いました。

設定は生命保険会社と保険金をだまし取ろうとする契約者との攻防。

あれこれ理由をつけては、保険金をふんだくってやるという悪い輩を相手に、悪銭苦闘するスートーリー。

くせのあるキャラの西村雅彦の自宅に訪問した保険の営業マン。お客さんが来たから挨拶しなさいと叱る西村雅彦。何度声をかけても子供の返事はなく、ふすまを開けてみると、そこにはクビを吊った息子の姿・・・

とんでもない映画を見せられたというのが第一印象。笑いなど微塵もなくサイコホラーミステリー作品であることをこのシーンで気付かされました。

黒の家

精神障害の演技が怖すぎて・・・

それからと言うもの、息子を亡くした悲しみは置き去りして、保険金をせがむ大竹しのぶ西村雅彦。保険会社に来ては、いつお金が降りるんだと催促する毎日。

しまいに、思い通りにならないのか、自分の指を噛みちぎろうとして、受付窓口での凄惨な様子が描かれます。

何かのスイッチが入ると、自分を傷つけたい衝動にかられるようで、精神的にいっちゃていました。

それに輪をかけて、不思議ちゃんな妻、大竹しのぶ。焦点がいつも定まらず、抑揚のないしゃべり方は何かに取り憑かれているかのよう。気持ち悪いです。

こんなお客にとっ捕まってしまった保険の営業マンはさぞかわいそう。

黒の家

エスカレートしていく保険金搾取

子供の自殺で高額の保険金を手に入れたにも関わらず、この夫婦の行動はさらにエスカレート。

何と仕事中に旦那が両腕を切断したので、保険金を払えと。身を削り、痛い思いをしているのに、それでもお金を欲しがる異常とも呼べる行動。

ホラー映画が瞬間的な怖さに対し、この作品はじわじわと怖さが増していく感じで、今までにはない感覚。むしろこちらの方が怖い。

黒の家

クライマックスは凄いよ

保険金を支払わないことで、大竹しのぶが逆上。保険営業員の関係者を次々と殺めていきます。

精神異常者なのに、その犯行は計画的。

不思議ちゃんを装っていたのではと思う位。彼女の自宅の床下から数十体に及ぶ遺体が発見され、しかも前の旦那の遺体も。

そうです、この大竹しのぶ演じた不思議ちゃんは、保険金殺人のプロだったのです。

身の毛もよだつはまさにこのこと。この殺人鬼を誰かが止めてないと、また新たな被害者が出てしまう。どこかフィンクションでありながら、現実にも似たような話があることから、見終わった後も、しばらく怖さが取れませんでした。