脱獄から始まる展開にワクワク
主人公は、とある王国との戦いに敗れ、泣く泣く強制労働所に送られた少数部族の長、ヴァン。数で勝る王国の武力を相手に少数ながら互角のいやそれ以上の戦果を挙げていた少数民族。この部隊の長として八面六臂の活躍を見せ、ある意味、敵からも恐れられていた存在でした。
が、快進撃も長くは続かず、王国の捕虜となってしまい、王国との戦いは幕を閉じることとなったのです。
で、送られた先は強制労働所、監視役の兵隊がこんもりといる状態で、脱獄なんぞはまず無理。ここで余生を送るのかと諦めていた矢先に、ある事件をきっかけに脱獄することに成功します。
ここまでの展開から、さては脱獄して昔の仲間を再び集めて、王国に対してリベンジの戦を挑むのかと1人で大盛り上がりしていました。
さるなる力を手に入れる。オオカミ男化
脱獄のきっかけは、野生のオオカミの群れによる襲撃事件が発端。これが囚人、監視員となりふりかまわずに襲いかかり、数日後には全員死亡という奇妙な事が起きます。
どうも、このオオカミが人間を死に至らしめるウイルスを持っているようで、噛まれたりするとウイルスに感染して死に至ってしまいます。
主人公のヴァンも、このオオカミの餌食となるものの、死に至ることなく彼の場合、このオオカミに変身してしまうという特殊な特技を手に入れることになるのです。
ただでさえ、王国と互角に渡り合える力を持ちながら、さらに特殊な能力を授かり、これで打倒、王国の準備は整ったなと半ば思いましたよ。本当に。
ウイルス感染者を助けましょう
この刑務所襲撃事件は近隣住民に大きな衝撃を与えます。そして、何とこのオオカミの襲撃が王国主催のイベント時にまた引き起こされます。
被害者は、イベントに参加していた王国の人間や観客の方々。
この1件で、このオオカミ達による病気が世間の知ることとなり、この原因不明の病から人々の命を助けましょうということで、王国のお抱えのお医者さんが立ち上がるのでした。
ってことはヴァンとこのお医者さんの一騎打ちか
オオカミ男の特殊能力を身にまとったヴァンとオオカミ男の力を無力化するお医者様との戦い、勝者はどちらになるのか、ワクワクしながら第四巻まで読み進めましたが、第三巻頃から、じゃないな、この小説は?と気づかされました。
話は医術の話が中心となり、それはそれで発見に満ちていて充分楽しめる内容であることは間違いありません。
ただドラクエ的な展開を想像していただけに、読後感がイマイチスッキリこない感じが・・・